レビュー
幸せな人生を送りたい――。誰もがそう願い、勉学に励んだり仕事に一生懸命取り組んだりするものだ。
そんな方には、ぜひ考えてみてほしい。富や名声が幸せの条件でないとしたら、いったい何をすれば幸せになれるのか、と。
本書は、1938年にスタートした「ハーバード成人発達研究」をもとに書かれた一冊だ。この研究は、84年にわたって、2000人を超える被験者の人生を追跡調査してきた。本人や家族への膨大な質問、詳細な健康データの入手、対面調査などを通して、被験者の生きがいや健康を研究している。その研究結果に、世界各地で行われてきた数百件の科学研究や古今東西の教えを加え、幸せな人生を送るためのガイドブックとしてまとめられたのが本書である。
そんな本書によると、幸せな人生を送った人の共通項はただ一つ、良好な人間関係を築いていたことだったという。「社会的な成功こそ幸せの条件だ」と信じてきた人にとっては、がく然とする結果かもしれない。
新型コロナウイルスの拡大によって人間関係やコミュニケーションのあり方が大きく変わった今こそ、自分が「グッド・ライフ」を送るために何をすべきか、本書を一読の上で考えてみてほしい。
本書の要点
・1938年にスタートした「ハーバード成人発達研究」によると、喜びに満ちた人生を送るための条件は良好な人間関係だ。
・他者との交流の頻度と質こそ、幸福の二大予測因子である。
・心身の健康には運動が必要であるのと同様、「ソーシャル・フィットネス(健全な人間関係)」にもメンテナンスが必要だ。何もしなければ人間関係は衰えていく。
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