
11月14日、日本代表は敵地に乗り込みキルギス代表と対戦する。8年ぶりの対戦となった前回のタジキスタンとは違い、ちょうど1年前にホームでの親善試合で4-0と一蹴しておりタジキスタン程の不気味さはないかもしれない。ただそのタジキスタン戦でも最終的なスコア以上に苦しめられたように、未知なるアウェイでの一戦は一筋縄ではいかないもの。
2022年W杯カタール大会/2023年アジアカップ中国大会アジア予選でグループ2位につけ、次ラウンド進出へ死に物狂いで日本から勝ち点を奪いにくるであろうキルギスの国内事情やサッカーを取り巻く状況について、篠崎直也さんに解説してもらった。
文 篠崎直也
チケットはすでに完売
前節のタジキスタンに続き、再び中央アジアに乗り込んだ日本代表の次なる相手はタジキスタンの隣国キルギス。FIFAランクは現在94位だが、2013年3月には201位まで落ち込み、以前はアジアでも最弱国の1つだった。それがわずか5年ほどの間に急成長を遂げ、2018年5月には過去最高となる75位まで上昇。同国のサッカーを見つめてきたファンにとっては奇跡のような飛躍だ。
独裁体制を築いた大統領が中心となってサッカーの強化を進める中央アジアの周辺国とは異なり、キルギスはソ連崩壊後に民主化への道を選択。しかし、経済の低迷や不正が蔓延する政治に対して国民の不満が高まり、政権交代と反政府運動が繰り返された。不安定な国内情勢はサッカーにも影響し、代表チームはまともに活動もできず、1994年のW杯予選や2007~2015年のアジアカップ予選には参加すらしていない。