
本山合金製作所と津山工業高等専門学校、工場排水から高効率でフッ素除去ができる磁性吸着剤を開発
(参照:高知 豪雨対策に地下に巨大貯留管を整備)
image from エコプロ2018のウェブサイト
岡山県で超硬合金の製造と金属製品の加工を行っている本山合金製作所が、津山工業高等専門学校と共同研究し、工場排水から高効率でフッ素除去ができる吸着剤「MagC―F(マグシーエフ)」を開発したと発表した。磁性フッ素吸着剤の開発は業界初。一般的にフッ素除去には活性炭を使用するが、MagC―Fはセルロースと鉄の混合物を炭化させたものにセリウムを加えて作る。MagC―Fは、吸着性能が落ちるまで繰り返し使うことができ、磁性を持つためフッ素の選別・回収が容易で、活性炭に比べて1100倍以上の吸着力がある。工場排水だけでなく汚染土壌から効率良くフッ素が除去できるといい、土壌の再利用が可能となりコスト削減に大きく貢献しそうだ。設備費に2億円を投じて量産体制を整え、年商10億円事業を目指す。
磁性フッ素吸着剤MagC―Fはフッ素の除去だけでなく、放射線物質であるセシウムやストロンチウムの除去にも効果を発揮するとして、水関連だけでなく他分野からも注目を集めることが予想される。
共同研究及び開発に携わった津山工業高等専門学校は、本山合金製作所と同じく岡山県津山市にある国立高等専門学校で、ETロボコンチャンピオンシップ大会TOPPERS賞を受賞するなど、理工系での実績を数多く挙げている。