
長野県 諏訪湖の貧酸素水、メカニズム解明へ計測開始
(参照:滋賀県 琵琶湖の低酸素状態懸念 2年連続で)
image from 長野県公式HPより
2020年7月13日、長野県水大気環境課が、諏訪湖の貧酸素水の塊が発生するメカニズム解明に向け、諏訪湖の湖心部に流向流速計と風向風速計を設置した。諏訪湖では、毎年夏になると底層で水中の溶存酸素が欠乏した貧酸素水の塊が発生することが確認されている。
今回の調査では、流向流速計を湖心部のほかに岡谷市湊、諏訪市湖岸通り(上川沖)、下諏訪町高木の沖合など計4カ所に設置。風向風速計は、湖心部のほかに岡谷市の釜口水門、下諏訪町にある赤砂崎公園、同町大沢に設置する。流向流速計は、計測部分を残して湖底に沈められた。湖内の計測器類は1カ月ごとに回収し、9月中旬ごろまでデータを記録。アメダス諏訪観測所や、信州大学理学部付属湖沼高地教育研究センター諏訪臨湖実験所の水深別水温の記録などとともに共有される予定。
諏訪湖では水質汚濁でアオコが異常発生したのを受け、下水道の整備など水質保全対策が講じられてきた。水質汚濁が進んだ1960年代に比べると水質は改善に向かっているものの、近年は夏に発生する貧酸素水域が湖生物の生育環境に影響を及ぼしていることが問題視されている。諏訪湖の貧酸素水の塊がなぜ発生するかは解明されておらず、今回の計測データによりメカニズムの手がかりが見つかることが期待される。