
セイスイ工業(株) 「災害時排水処理システム」を提供 被災現場での早期復旧を目指す
(参照:渋谷駅 地下雨水貯留施設供用開始へ 再開発で整備)
セイスイ工業株式会社は、台風等で水害が発生した際に、施設内に滞留した排水や汚泥の処理を現場で迅速に対応できるよう、油分や有害物、有機物などを分離して処理できる「災害時排水処理システム」の提供をスタートさせることを発表した。
従来は、バキューム処理と呼ばれる方法で汚泥を処理するが、バキューム処理では一次工程として凝集剤で固形物を濃縮し、二次工程として遠心分離機にかけ、その後廃棄処分としてきた。今回開発されたシステムでは、遠心分離機を使用して、滞留物を固形物(脱水ケーキ)と水に分離脱水するというもの。脱水処理された水の99%以上は、河川に放流できるほどの水質を保持し、地域環境にも悪影響を与えないとしている。連続で汚泥を分離脱水することで、廃棄物量を90%以上削減(従来比)、工期も最大30%短縮。バキューム処理に比べて廃棄物量が大幅に減容化されるため、コスト面に至っては80%の削減が可能になるとし、従来の方法とはさまざまな面で進化していると言えよう。
セイスイ工業によると、処理を実施するまでの提案資料の作成や現地確認、薬品テストなどは無料で行われる。最も重要な「災害時排水処理システム」の設置による処理能力と現場状況とのバランスは、綿密な事前調査を行い提案していきたいとしている。