
2012年3月22日、アメリカ国家情報長官室は、2040年の「水危機」と「水戦争」を警告する報告書を発表した。世界が必要とする水資源の供給が2040年に限界に達する可能性が高いとするものである。
(参考:2012年ストックホルム水大賞はスリランカのコロンボの「国際水管理研究所」が受賞)
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世界の淡水資源は非常に限られた貴重なものである。世界の水危機は以前より指摘されていることであり、将来的な危機を訴えるという点では、今回のアメリカの情報機関の報告は特に新しいものではないない。同報告書によると、今後10年間は水危機による紛争の心配はないとしながらも、南アジア、中東、北アフリカなどでは水不足の危機に直面することが予測されている。
2030年には水需要は30%増加することを予測。これに対し供給量は地球温暖化などの気象変動の影響で減少していくとみられている。結果として食糧価格の高騰、水力発電量の減少など、経済に大きな影響を与えることが考えられる。
このため、水資源確保のため、大河流域国の間では緊張か高まり国際紛争に発展する可能性があることも指摘している。今後はそのような危機を解決するために、特に水需要の70%を占める農業用水の効率的な利用の研究・対策が必須であるとしている。