
2010年10月に、株式会社モノベエンジニアリングでは、船舶が航行時の安定のために積載するバラスト水の浄化に利用できるバネ式フィルターの開発に成功した。今回開発された大型バネのろ過面積は同社従来製品の25倍となる。
環境保全の世界的な潮流の中で、バラスト水管理条約が制定されているが、批准国が伸び悩んでいる現状もある。その要因として、条約が規定する能力を保有する海水浄化装置が少ないということが上げられている。
同社ではこのフィルタにより、海水浄化装置を小型化できるとしている。また、同社は同フィルタを利用した浄化装置を2011年中に試作し、早期の実用化を目指すとしている。
今回開発したフィルタは、濾過助剤をらせん状のバネの表面に塗布しておき、バネの隙間から外側に水を通すことで、大腸菌などを除去できる。また水を逆流させることで、バネに詰まった汚れは洗浄できる構造となっている。液体が腐食性のものでない限り半永久的な使用が可能となっている。更に、フィルター内の芯金形状を工夫するこにより、従来はできなかった横置きも可能なものとなっているという。