
浮上のきっかけはエースの復活しか残っていないのか。投打がかみ合わず両リーグ最速で20敗を記録するなど森脇オリックスが苦しんでいる。
当初の試算ではケガ人が戻ってくる5月の到来が巻き返しの合図となるはずだった。だが、岸田護、平野佳寿、佐藤達也ら盤石の中継ぎ陣が帰ってきたチームでも勝ち切ることが出来ないのが現状だ。
象徴的だったのが4月28日の楽天戦(京セラドーム)から始まった9連戦だ。
5月1日のソフトバンク戦では守護神・平野佳が1点リードの9回に李大浩に同点ソロを浴び、延長戦の末に敗れると、3日の同カードでは9回に岸田がリードを守りきれず逆転負け。4日の西武戦(西武プリンスドーム)では同点に追いついた8回に佐藤達がまさかの4失点。
高山投手コーチも「彼、本来からしたらほど遠いボールだった」と渋い表情。昨年は7回終了時までにリードすれば67勝2敗と無類の強さを誇っていた鉄壁のブルペン陣が本来の力を出し切っていない。
そんな中、待たれるのは金子千尋の復帰だ。
高山投手コーチ「一時の悪かった状態よりは上がってきている」当初は「以前に受けた手術と同じ症状なので、心配していない」と早期復帰に自信を見せていた。だが、昨年の11月に右肘の手術を受けてから約6カ月が経過したが、いまだ実戦復帰を果たしていない。
宮崎・春季キャンプでは早々とブルペン入りし開幕投手として期待されたが、そこから状態は上がらず2軍調整が続いている。現在はブルペン投球を再開し、高山投手コーチも「一時の悪かった状態よりは上がってきている。あとは本人の感覚と順序を踏んでいくだけ」と、前半戦までの復帰に希望が見えてきたことを口にしている。
打撃陣では小谷野、ブランコ、中島、ヘルマン、坂口、平野恵と故障者、ケガ持ちが多いだけに大量得点に期待することは酷だ。一人で試合を制すことができる昨年の沢村賞右腕、エース金子こそ、どん底のチームに必要な存在だ。