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男の性欲にさらされて生きていくしかないのであれば、自分自身を「商品」にしてしまった方がよっぽど楽だ、と確信した15歳。

その後、高校をやめても、さすがにキャバクラには懲りて、古本屋やコンビニ、ガソリンスタンドなどでバイトをしていたわけですが、夜の世界を垣間見たことで、私の中に漠然とではありますが、「娼婦」に対する憧れが強くなっていました。


■男性と付き合ったりもしたけど…

道を歩くだけで男たちから性的な視線を向けられ、後をつけてくる男や「写真を撮らせてください」と声をかけてくる男がいたり、エレベーターで二人きりになっただけで勃起している男がいたり、相変わらず10代の私の周りには、性欲むき出しの男性ばかりが存在していました。

そんな中で、いずみちゃんは私の心のオアシスで、私は彼女をもっともっと幸せにしたいと思いつつ、バイトを頑張り、デート資金を作っていました。

彼女とはプラトニックな関係だったけど、そこに不満は全くありませんでした。

そして、私はその頃、男の人とも付き合い始めていました。

告白してくれた男性の中に、性欲をそれほどむき出しにしてこない人や、私のことを本当に大切にしてくれそうな年上の男性もいたので、そういう人ならうまくいくかな? と思って付き合ってみるのですが、やはりうまくいかない。

いざ付き合い始めて、手を繋がれたりキスされそうになると、体と心が拒否反応を示し、結局本当に好きになることができなかったのです。

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■娼婦への憧れ

「私は男の人を受け入れることはできないかもしれない」「だったら無理矢理にでも、男性を受け入れるような状況に置けばいいのだろうか」

私は、男性とごく自然に恋愛をすることができない自分に、劣等感を抱き始めていました。

なんとなく、夜の世界や娼婦に対する憧れのようなものはあるけれども、公園で「いくら?」と実際に聞かれるとやっぱり怖くて、逃げ回ってしまう。


売春や風俗へ、1歩踏み出す勇気はないまま、私は18歳になりました。

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■バニーガールデビュー

そして、そんな劣等感を打破すべく、誕生日当日に電話をして、面接に向かった先はバニーガールのお店。

バニーガールはバニーちゃんの格好をしたウェイトレス業務なので、お客様にお酒を注ぐことはあっても、隣に座って接客することはありません。

ホステスはさすがにヘビーすぎると思い、かといって風俗も無理だと思ったので、水商売をしようと思ったら、最終的にたどり着いたのがバニーガールだったのです。

単純に、「あの可愛い格好をして働いてみたい!」という気持ちがあったのも事実ですが、私はバニーガールとして仕事を始めました。

そして、そこで生まれて初めての経験をするのです…。


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(文/fumumu編集部・coco)