中盤の底に位置するボランチで、守備のタスクをこなしながら前へ出る。貪欲さがゴールへつながれば、勝ったときの喜びはさらに重なる。攻撃力のアピール、自身の代表戦初勝利、そして日本のW杯出場決定が重なれば、“喜びの三重奏”となる。

 今月23日に21歳になったばかりの井手口だが、所属クラブでMF遠藤保仁やMF今野泰幸と日ごろから競争していることもあり、「プロになったときから、ガンバで先発のポジションを取れれば、自然と日本代表は見えてくると思っていた」と言い放つ。中学生の頃から年代別代表に選ばれながら、U-17W杯、U-20W杯という世界大会への出場を逃した。それでも昨年はリオデジャネイロ五輪に出場し、A代表にも初選出。世界で戦うための階段を着実に上っている。

 外国人選手と対戦するときは、普段以上に対人戦で負けたくないという気持ちに火が付くそうで、気後れするところはない。「リオ五輪では、外国人の勝負強さや球際の強さを感じた。真っ向勝負では無理なので、出足で差をつけたいですね。外国人の選手はそんなに上手くないのに、なぜか試合に勝ってしまう。あれは謎ですね。ああいう勝負強さが日本人には足りていないのかな」と、笑顔をまじえてケロリと話す。たくましく、これからが楽しみな選手だ。ただ、本人にはいつまでも「期待の若手」でいるつもりはない。

「昨年(11月に)初めて招集されたときは緊張して、いつもどおりのプレーができなかったし、試合にも出られなかったけど、6月は試合に出て、自由にやれたかなと思う。やっぱり選ばれるからにはベンチとかベンチ外ではなく、まずは途中からでも良いから毎試合出場する選手になりたい。W杯出場は小さいころからの夢でしたけど、現実味は全然なかった。今もまだ具体的なイメージは湧かない。でも、代表の試合に初めて出場してから、出たいという気持ちは強くなった」