若手は大挙してスリ寄り、野田聖子は「猟官運動」

 文字通りの“客寄せパンダ”である。


 12日告示された自民党総裁選で、最有力と目される小泉進次郎元環境相(43)が11日、野田聖子元総務相(64)が自らの推薦人になると明かした。

野田はもともと出馬を目指していたが、推薦人20人を確保できずに断念。11日の会見で正式に不出馬を表明し、進次郎から「推薦人になってほしい」との要請があったと話した。


 野田はつい先日、人口減少を念頭に人中心の政策を掲げ「ダイナミックな政策転換のために汗をかいていきたい」などと意欲を示していたのに、結局、諦めて人気者の進次郎に乗っかった格好。「猟官運動としか思えない」と言うのは、ある永田町関係者だ。


「野田さんは不出馬の際は石破茂元幹事長の陣営に入るという話が進んでいたそうなのですが、進次郎さん陣営が一本釣り。何人か議員を連れてくれば、進次郎内閣が発足した暁に閣僚や党役員ポストを約束する、という条件で握ったとみられています。野田さんとしても、今回は進次郎さん優勢と見越して、推薦人になると決めたのでしょう」


 進次郎にすり寄っているのは、野田だけじゃない。若手も大挙している状況だ。永田町に出回る「総裁選若手動向」と銘打たれた出所不明のデータが興味深い。衆院1~4回生、参院1、2回生の計204議員の名がリストアップされ、それぞれが誰を支援しているかが記されている。


 今月3日に集計されたとおぼしきデータによると、進次郎支援者は8議員だったが、10日には17議員に増加。若手からの支持が中心の小林鷹之前経済安保相は、同期間で32議員から34議員と2人しか増えていないことと比べると、進次郎の“客寄せ”っぷりはハンパではない。


「新総裁選出の後、早期解散となる可能性が高いですから、当選が危うい若手としては『選挙の顔』は超重要。自らの首をつなぐために、進次郎さんのもとに雪崩を打って集まっているわけです」(自民党関係者)



「選対本部長を置かずにフラットにやればいいのよ」

 大人気の進次郎陣営だが、内部は揉めに揉めているようだ。


「野田聖子さんの引き入れに際し、彼女を選対本部長につける案が検討されたのですが、最終的に立ち消えてしまった。陣営の武田良太元総務相が激怒したからだそうです。陣営メンバーは中堅・若手ばかりでベテランが不在。選対本部長をやれるのは武田さんぐらいしかいないと思われていた。野田本部長案が浮上すると大揉めとなり、その結果、本部長のポスト自体を置かないことになったのです」(永田町関係者=前出)


 進次郎は11日、野田の本部長起用案がなくなったことを報道陣に問われ「野田先生からは、選対本部長を置かずにみんなフラットにやればいいのよ、と提案があった」と説明。肩書大好きの自民党議員がそんな提案をするのか疑問だ。ドタバタ露呈によるマイナスを避けるため、ゴマカしたのではないか。


 この先も、どこからボロが出るか分からない。


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