11月の米大統領選まで波乱が絶えない。米南部フロリダ州のゴルフ場で15日午後、プレー中だったトランプ前大統領が銃撃事件に遭遇。
米メディアによると、警備中のシークレットサービスがゴルフ場外の茂みからライフルの銃身が飛び出していることに気付き、少なくとも4回発砲。容疑者はトランプから365~460メートル離れた距離にいたという。
拘束されたのは元建設作業員のライアン・ラウス容疑者(58)。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ロシアによるウクライナ侵攻が発生した後、ウクライナに渡り、支援活動を行っていたという。スコープ付きの自動小銃とセラミックのタイルが入ったリュック2つを残して現場から車で逃走したが、高速道路上で拘束された。身体に装着して撮影可能な小型カメラも見つかっており、銃撃の様子を撮影しようとしたとみられている。
トランプ暗殺未遂は今年7月、東部ペンシルベニア州バトラーで開かれた選挙集会で演説中に銃撃された事件に続いて2回目。前回は右耳を負傷したが、幸い今回はケガはなかった。
「国を正す暴力行為」に2割が賛同
気になるのは、大統領選への影響だ。ハリス副大統領と接戦を繰り広げる中、今回の事件が「トランプ有利」に働くのかどうか。
「まったく影響がないとは言い切れませんが、大勢に変化はないでしょう。
二度あることは三度あるといわれるように、本選まで残り2カ月で同様の「アクシデント」に見舞われないとは限らない。
「トランプ氏は早速、対民主党の団結を呼びかけていますが、果たして効果があるのかどうか。米公共放送サービスが今年3月に実施した世論調査によれば、『アメリカ人は国を正すには暴力行為に訴えなければならないか』との問いに約20%が賛同しています。同様の暗殺未遂が起きるリスクは他国に比べて高いかもしれません」(上智大教授・前嶋和弘氏=現代米国政治)
いよいよ混沌としてきた。
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