前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)が今夏の東京都議選に向けて立ち上げる地域政党「再生の道」。


 政策を掲げず、所属議員の党議拘束もなし。

他党との掛け持ちも認める、という異例の方針が示されたため、一部では「政党ではなく互助会組織」といった声も上がる。さらに設立会見でフリー記者の出席を認めず、登録者数100万人相当のネット媒体を有しているなどの条件を掲げたことから、SNS上では《結局、狙いは自身の動画再生回数か》《政党名は「再生回数の道」にした方がいい》といった投稿もみられる。


 いずれにしても、現時点で何をしたいのか、都政の課題をどう考え、具体策はあるのかがさっぱり分からない。とはいえ、昨年の都知事選で次点に食い込んだ石丸氏だけに、裏金問題を抱えた自民党や、都知事選で蓮舫前参院議員(57)を支援した立憲民主党などは警戒感を強めているようだ。


■吉村知事はかつて「公約を実現するのが政党」と言っていたが…


 対照的なのは日本維新の会だろう。


 吉村洋文代表(49=大阪府知事)が15日、石丸新党について「面白いし期待している。石丸さんとは価値観を共有しており、新党との連携というか、参加の可能性を前向きに考える」と踏み込んでいたからだ。


 ただ、吉村代表はかつて「公約を実現するのが政党ですから。公約実現に向けて邁進するということが重要」と発言。立憲との野党共闘を問われた際には、「一緒になって選挙というつもりは全くない」と拒否し、その理由について「考え方や憲法観が違う」と言っていた。


 公約を実現するのが政党であり、考え方が一致しなければ連携しない――。まさに正論なのだが、石丸新党は現時点で公約どころか政策すらも掲げていないわけで、吉村代表は一体何が面白いと考えて期待しているのか。

考え方や方向性も見えない中で、なぜ、連携や参加を前向きに考えられるのだろうか。


 さらに言えば石丸新党が明確に掲げているのは「政治屋の一掃」だ。維新の所属議員らはしょっちゅう不祥事を起こしており、まさに政治家と言うよりも政治屋そのもの。連携どころか「一掃」されると吉村氏が危機感を抱かないのが不思議だ。


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 注目を集める石丸新党。●関連記事【もっと読む】で《早くも見えた石丸伸二氏「再生の道」の“ポンコツ化”…政策への言及なし、新党参加にこれだけのリスク》【さらに読む】で《石丸伸二氏が新党設立会見でまたも“ケンカ上等戦略”か? 冒頭約10分間を都庁記者クラブ「糾弾」に費やす》を取り上げている。


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