東京都議会の自民党がようやく23日、裏金議員の名前を公表した。


 政治団体「都議会自民党」の政治資金パーティーをめぐる裏金事件では、今月17日、会計担当職員が略式起訴された。

その一方で、パー券のノルマ超過分を「中抜き」して手元にプールしながら政治資金収支報告書に不記載だった議員については、人数も氏名も金額も明らかにされていなかった。


 23日、都議会自民は内部調査結果を公表。不記載は現職・元職ら26人で、現職が都庁の会見場にズラリ並び、頭を下げた。


 裏金の最高額は332万円。300万円以上はこの1人で、200万円以上が5人、100万円以上が6人、100万円未満が14人。処分については、会派トップの幹事長経験者6人を今夏の都議選で公認しない。その他は1年間の役職停止処分だという。


 しかし、肝心のいつ、どうやって、何のために裏金づくりが始まったのかは、「OBに確認したが、記憶があいまいで資料も残っていない」と答えるのみ。「申し訳ない」「おわび申し上げたい」と謝る一方で、「前例踏襲」「従来からのやり方」と口を揃えた。旧安倍派の裏金事件と同じで、本気で実態解明する気なんてないのだろう。


「非公認のラインは200万円以上という話もあったが、フタをあければ非公認は幹事長経験者だけと少なかった。非公認を広げると、それが前例になり、他県の地方組織にも波及しかねない。

大事にしないよう処分を小さくしたのだろう」(自民党関係者)


 折しも、きのうは党本部の地方組織に対する調査結果も公表され、「都議会以外は問題なし」との結論だった。都議会と足並みを揃えたかのような発表は、裏金問題の幕引き狙いがクッキリだ。


「中居正広の芸能界引退発表に助けられた。都議会自民のニュースが小さい扱いになるから、みな安堵している」(都政関係者)というから、反省の色がない。


 自民党の金権体質への国民不信は膨らむばかりで、裏金づくりの真相がまったく解明されず、モヤモヤ感が消えない。


 都議選、参院選で再び自民に鉄槌を下すしかない。


  ◇  ◇  ◇


 自民大阪府連の青山繁晴会長(参院議員)が、府連主催の政治資金パーティーを当面見送ることを明らかに。新たな政治資金獲得の手段として、府民が参加する運動会や親子スキー教室、水泳教室を開き、参加者から寄付を募るとか…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。


編集部おすすめ