若者人気に絞ると、大谷翔平選手(30)もまだまだ紅白歌合戦には及ばないようだ。3月18日、日本テレビ系で放送されたカブス対ドジャースの開幕戦の視聴率は世帯31.2%、個人全体19.9%、コア10.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。

以下同)と最近のテレビ界では見られない高い数字が並んだ。民放関係者の着眼点はこうだ。


「世帯30%超えで、NHKの紅白歌合戦を抜いて年間1位の視聴率になる可能性が言及されていますが、注目すべきはコアの10.2%です。現在のテレビ局では、13歳から49歳までのコア視聴率が重視されていますからね。各局はコア5%以上を目標に置き、7%以上になれば万々歳です。だから、ドジャース戦の10.2%は異常に高い数字です」


 コア5%以上をコンスタントに叩き出す番組は『世界の果てまでイッテQ!』『ぐるぐるナインティナイン』『THE突破ファイル』などで、全局を見渡しても週に数えるほどしかない。


「いずれも日本テレビの番組で、日テレがコア層に強いのは明らか。これらの番組は世帯10%前後で、2桁に乗らない場合もありますが、スポンサーはコアの数字を見ていますからね。高齢者が見ると数字の跳ね上がりやすい世帯にも重きを置くテレビ朝日は、2月14日の『ザワつく金曜日』は世帯13.4%、コア2.2%。15日の『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』は世帯8.7%、コア1.5%、16日の『ポツンと一軒家』は世帯12.2%、コア1.7%です。いずれも日テレなら打ち切りの対象になりそうな数字ですが、テレ朝ならオーケーです」(同前)


 民放全局でコア7%以上の番組が0本の週も珍しくないため、ドジャース戦のコア10.2%は驚異的だという。


「野球は高齢者に人気のイメージが強いですが、大谷は若年層も掴まえている。

だから、どの企業も大谷を広告に起用したいと考えるんでしょうね。一方で、紅白歌合戦のコア視聴率にはまだまだ届かないという現状もあります」(テレビ局関係者)



昨年は『Bling-Bang-Bang-Born』のCreepy Nutsを初出場させたNHK

 紅白(2部)の歴代最低の世帯視聴率は2023年の31.9%だったが、コア視聴率は20.4%を取っていた。これは、"高齢者斬り捨て"の批判が出ても、NHKが若手アーティストを積極的に出演させていることが大きい。昨年も平野紫耀(29)を擁するNumber_iをはじめ、『Bling-Bang-Bang-Born』が世界的に大ヒットしたCreepy Nuts、『はいよろこんで』でブレイクしたこっちのけんと(28)、顔出しNGの女子高生シンガーtuki.(16)といった、若者に人気のアーティストを紅白に出演させた。


「大谷人気にケチをつけるつもりは毛頭ありませんが、世帯はほとんど変わらないのに、コアではダブルスコアが付いています。今年も紅白は厳しい戦いが予想され、世帯30%を切る可能性もある。そうなれば、ドジャースの開幕戦が年間世帯視聴率1位になるかもしれません。ただ、紅白のコア視聴率には勝てないと思います」(同前)


 逆説的に、大谷フィーバーは紅白歌合戦の若者人気まで浮かび上がらせた。


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 大谷フィーバーと言えば真美子夫人。真美子夫人の人気も加味すると、紅白歌合戦との勝負の行方も変わってきそうだ。■関連記事もあわせてご覧ください。


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