夏の参院選の前哨戦に位置づけられている東京都議会議員選挙の告示(6月13日)まで1カ月を切った。首都決戦に向け、大手紙は詳細な情勢調査を報じ始めたが、政界ではヤケに詳細な“怪情報”が飛び交っている。
「4月上旬に自民が各選挙区の情勢調査を実施。裏金問題で党勢はボロボロのはずが、結果は『意外に悪くない』と話題になったのです」(都政関係者)
日刊ゲンダイは、当該情勢調査の結果がA4判用紙に記された内部資料を入手。各党の獲得議席数の予想が掲載されているのだが、中身はトンデモない。全127議席のうち自民はナント、現有30議席から11議席増の41議席とはじかれているのだ。党勢好調の国民民主党は0から11議席に躍進。立憲民主党は9議席増の22議席となっている。
不自然なのは、公明党と小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の議席予想だ。公明は現有23議席から13議席減、都ファは現有26議席から15議席も減らすというのである。
「あり得ない調査結果」
「あり得ない数字です」と、都政担当記者はこう言う。
「党の各派閥のみならず、都議会自民も裏金づくりで謝罪に追い込まれています。彼らが議席を伸ばす展開は考えづらく、10議席台まで減らすともみられている。党勢低迷中の公明は1~2議席落とす可能性はあるが、13議席減は考えにくい。
大きな選挙が近づくと、真偽不明の自民調査が出回るのは毎度のこと。誰かが鉛筆をナメナメした可能性もある。その狙いは何か。
「このデータは自民の支援団体に配られたそうだ。あえて好調な数字に書き換え『党勢ボロボロだけど、まだ勝てるかもしれないから見捨てないで』というメッセージを送ったのだろう。裏金の影響で支援者からは『もう自民の応援はしない』との声が上がっていましたからね」(同前)
一方で、こんな情報もある。
「5月10~11日の週末にも自民が調査をかけたようだが、今回は複数の選挙区で国民民主の候補が自民候補をダブルスコアで上回っていたそうです。衝撃が走っています」(ある都議)
ひょっとしたら、コレも「このままだと国民民主にボロ負けするぞ」とのメッセージを送り、組織を引き締める目的で“改ざん”されているのかもしれない。選挙が近づけば近づくほど、怪しい情報戦は激化必至だ。