コメ対策に奔走する小泉進次郎農相が連日、“ドヤ顔”を浮かべ、「わが世の春」の様相だが、実は足元がガラガラと音を立てて崩れかねない事態を迎えている。自身の衆院選挙区に含まれる神奈川・横須賀市の市長選(22日投開票)で“子飼い”の現職に大逆風が吹き荒れ、お膝元が崩壊しかねないのだ。
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「進次郎さんの選挙区である神奈川11区は横須賀市と三浦市で構成される。15日投開票の三浦市長選では、進次郎さんがバックアップした自公系の現職が無所属新人に敗北。その流れを受け、横須賀市長選も『同じ展開になるかも』ともっぱらです」(官邸事情通)
横須賀市長選に立候補したのは、無所属新人の小幡沙央里前市議(39)、現職の上地克明市長(71=自公推薦)、新人の為壮稔氏(71=共産推薦)の3人だ。
「選挙戦は事実上『進次郎印』の上地さんと小幡さんの一騎打ち。上地さんは2017年市長選で初当選した際、進次郎さんが選対最高顧問を務めた。市長の長男で『おバカタレント』の雄輔さんとは地元の野球仲間で、上地家とは家族ぐるみの仲。そうした背景から、上地さんは3選確実と思われたのですが、三浦市長の落選で流れが変わってきています」(同前)
加えて、上地氏が告示直前に自家用車運転中に市内の一方通行を逆走。反則切符を交付されただけでなく、車が無車検・無保険だったことも発覚した。本人は謝罪したが、この件が選挙戦にマイナスになっているという。上地陣営関係者が言う。
「やってしまったことは消えない。有権者からは『なぜ出馬を取り消さない』と厳しい声をいただいています。
■都議選の応援をしている場合なのか…
上地氏は20日夕、京急「横須賀中央駅」付近で街宣を実施。2期8年の実績を訴えると聴衆約30人から拍手が上がった。知名度の高さがうかがえたが、演説中、聴衆から「おまえみたいな老いぼれは再選させねぇぞ!」とヤジが飛び、会場が凍りつく一幕も。上地氏本人を直撃すると「いろんな人が声をかけてくださる」と手応えを口にしたが、表情はどこか不安げだった。
「選挙戦に入る直前の情勢調査では、上地が優勢でした。ただ、三浦市長選でも事前の調査で現職が圧倒していたのに、最終盤で無所属候補に逆転を許した。今回、上地の違反が発覚しましたし、三浦市長選と同じパターンになるのでは、と不安視されています。正直言って、怖いです……」(上地陣営関係者)
一方の小幡氏は勢いづく。20日夜、上地氏と同じ場所で街宣した際は100人程度の聴衆が耳を傾け、盛況だった。品川区の森沢恭子区長が駆け付け、演説するや、足を止める人が続出。小幡氏本人は「相手は強いですが、徐々に町の反応は良くなってきた」と話した。
進次郎氏は、市長選と同日投開票の都議選の応援に邁進。
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お膝元の三浦市長選で推薦候補まさかの敗北…進次郎農相に対し自民党内からは不安の声が。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。