【あの有名人の意外な学歴】番外編


 フワちゃん(お笑い芸人/31歳)


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「今、東洋大といえば真っ先に名前が挙がる2人だが、支持するのは断然、フワちゃん」と語るのは同大出身の70代のフリー編集者。学歴詐称問題で揺れる田久保真紀・伊東市長(55)と昨年8月のやす子への「死んでくださーい」発信で画面から消えたフワちゃん。

いずれも東洋大に在学していた。OBの目からは母校をおとしめているのは田久保市長のほうだと映るらしい。「フワちゃんは卒業していて、田久保さんは除籍となっているからというわけではない。彼女の“あがく”姿がどうにも東洋大生らしくない。僕らはもっとスマート」だというのである。


 田久保市長は法学部、フワちゃんは文学部。このOBもそうだ。フワちゃんをひいきするのは学部が同じよしみもあるが、それより東洋大の生い立ちが関係しているという。創設者は哲学者の井上円了。哲学を日本に広めようと同大の前身である哲学館を立ち上げた。哲学関連の学科を擁する文学部は「わが校の根幹」と同OBは強調する。


 フワちゃんが入ったのは文学部の中国哲学文学科。

その後、同科はインド哲学科とともに東洋思想文化学科に再編されたが、同大が誇る最重要学科のひとつといっても過言ではない。


 学生時代、飽きっぽい性格が災いしてアルバイトを何度もクビになっていたフワちゃん。ともかく大学には極力、顔を出していたようだ。並行してワタナベコメディスクールに通ったり、お笑い芸人の仕事を始めたこともあって、5年かかったものの、大学はちゃんと卒業している。


「小学校2~4年の時、ロサンゼルスで暮らし、英語はペラペラ。中国語も流暢に話すトリリンガルです。東洋大では真面目な学生だったのだろう」と制作会社ディレクターは推察する。


 一方、田久保市長については東洋大時代の話がほとんど伝わってこない。


「こんなことを言うとマズいかもしれないが、学歴詐称は東洋大法学部の伝統なのかも」と話すのは前出のOB。約半世紀前、東洋大では大きな事件が起きていた。学長が「法学部長が学歴をゴマカしている」と告発したのだ。法政大出身なのに京大法学部卒業と詐称したり、いたこともない東大に1年間、在籍していたと文部省(現文部科学省)に提出した履歴書に記していたというもの。


「法学部長が開き直り、理事会の聴取にも応じず、内紛がエスカレート。ついには法学部は休講になってしまった」と当時在学していたOBは振り返る。


「周囲から“無法学部”と揶揄されたことが今回の伊東市の一件とも重なってくる。この時、一番迷惑をこうむったのは法学部の学生たちだが、田久保さんは市民に対してどう考えているのか」


 伊東市はまだまだ紆余曲折がありそうだが、「そろそろフワちゃんの姿が見たい」(同OB)といった声があることもつけ加えておきたい。


(田中幾太郎/ジャーナリスト)


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