毎日のように繰り返される“トンデモ発言”で、注目を集める参政党。最近では、東京選挙区のさや候補がネット番組で「核武装が最も安上がりで、最も安全を強化する策のひとつだ」と核武装論をブチ上げ批判が集まっているが、これはほんの一例にすぎない。
15日夜、調布市での個人演説会でさや氏は、集まった支持者に謝意を伝える中、こんなメディア批判を展開した。
「私はいまここに集まってくださっている皆さん一人一人しか信用しておりません。マスコミというのは本当にウソをつく存在だというふうに思っております」
ここまで話すと、さすがに言い過ぎたと思ったのか「大丈夫かな……」とこぼしつつも、こう続けた。
「インターネットも玉石混交なんですけど、(自分は)かなり本当のことを伝えようとしてきました。マスコミは信用できないけれども、このインターネット発の参政党は、皆さんに信じていただけると思っております」
「トランプや極右政党を思わせる」
トランプ米大統領よろしく、マスメディアは「フェイクニュース」だと主張したいのか。実際、参政党は度々、真偽不明の主張をしている。神谷宗幣代表は仙台市での街頭演説で、宮城県は水道事業を「外資に売った」と発言。県は「事実誤認だ」として党に訂正を求めている。他にも、大手メディアのファクトチェックで「誤り」と判断された参政党の主張は、枚挙にいとまがない。
「今回のさや候補の発言は、トランプ氏や極右政党として知られるフランスの国民連合などが行っているメディア批判を思わせます。参政党は、既存政党が倫理的な観点から主張してこなかったことを訴え支持を拡大していますが、その中にはムリのある内容も多い。ほころびが生じつつあり、『メディアはウソつき』と断定し、自らを正当化することで、支持者をさらに固めているのでしょう」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
選挙戦で参政党は、排外主義につながりかねない主張を繰り返している。
「国民の生活が苦しいことを外国人のせいにするなど、事実に基づかない主張で票が稼げる状況になっています。日本もまた、アメリカや西欧のような状況に近づきつつあるのは間違いありません」(五野井郁夫氏)
ポピュリズム政治で、日本が分断される日も近いのか。
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