異常事態だ。参院選は20日投開票。
告発されたのは、国民民主から出馬中の小林さやか候補を支援する岡野純子衆院議員。偽造された疑いのある街宣用の「標旗」を使って演説した。公職選挙法の規定で、小林陣営は1枚の標旗しか使えないが、全く無関係の比例候補の標旗を流用することで事実上の“2馬力選挙”をやっていた疑いが浮上している。
自民党は18日、標旗を偽造して街頭演説を行ったなどとして、公文書偽造と公選法違反の容疑で岡野を県警に告発。報道対応した県連幹事長の阿部紘一県議によると、県警は今後調査した上で告発状を受理するか判断するという。
■「錯誤はあり得ない」
この問題は、日刊ゲンダイが16日に報道して以降、大炎上。岡野氏は同日、自身のX(旧ツイッター)で「大変申し訳ございませんでした」と謝罪したが、比例候補の標旗利用については「錯誤」と言い張った。国民民主千葉県連もきのう、HPに謝罪文を公表。標旗については「比例運動を盛り上げるため(比例候補から)一時的に本部経由でお借りした」と釈明した。
本部から借りた標旗に誤って小林氏の名前を書き、意図せずに街頭演説で使ってしまったということか。阿部県議は「選挙のプロが陣営にいるはずで、そんなことは考えられない」と言っていた。
それにしても、選挙戦最終盤に告発とは、自民も随分と踏み込んだ対応だ。阿部県議によると、「告発は党本部からの要請を受けて行った」というから、穏やかじゃない。
「自民は千葉で2人擁立し、盤石だと思われていた現職の石井準一議員が当落線上をさまよっているとの情勢調査がある。下手すれば共倒れの恐れもあり、党本部は焦ったはずだ。国民民主の足を引っ張るために、岡野さんの不祥事に目をつけたのだろう」(県政関係者)
泥仕合の様相だが、自民にどんな思惑があるにせよ、岡野氏がやったことは極めて危うい。「間違いでした」で済まされる問題ではないだろう。
「小林陣営は相当、ピリピリしています。小林さん本人も相当参っている。とりあえず、岡野さんはもう表には出さないことになったそう。現状、SNSも更新していない。“岡野隠し”で何とか逃げ切る気でしょう」(地元関係者)
泥仕合の行方やいかに。
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