「アイツがいないと話にならないんだ」
自民党幹部がそう語るほど信頼を寄せる人物がいる。高市政権の陰の実力者・日本維新の会の遠藤敬首相補佐官(57)。
遠藤氏は高卒後、うどん屋経営などを経て、2012年衆院選で大阪18区(高石市、岸和田市など)から出馬し、初当選。他党との交渉窓口の国対委員長歴が長い。真価が発揮されるのは飲みニケーションだ。
「エンちゃんとみんな仲いい。お好み焼きをごちそうしてくれる」(副大臣経験者)
小まめな飲み会が功を奏し、菅義偉元首相ら、自民重鎮と強固なネットワークを構築した。高市政権で補佐官に起用されたのも、余人をもって代えがたい人脈力と調整能力が理由。しかし、筆者が大阪で取材を重ねると、重大疑惑が浮上した。
「維新は企業団体献金に厳しい姿勢をアピールし、“しがらみのない政治”を標榜しているが、内実はずいぶん違います」
そう明かすのは、維新関係者だ。
「遠藤氏は、不動産や産業廃棄物を手がける三重県のX社と極めて近しい。オーナーのA氏は30代後半。遠藤氏が会長の公益社団法人・秋田犬保存会のメンバーでもありますが、23年6月に酒気帯び運転と過失傷害の疑いで逮捕され、その後、有罪に。
支援企業が「ホテル代支払い」で選挙動員
資金管理団体「遠藤たかし後援会」の収支報告書によれば、X社は22年11月に、パーティー券を50万円分購入。ただ、同社との関係はこれだけにとどまらない。
「21年衆院選でA氏はのぼり旗を自ら持つなど遠藤氏の選挙支援をした。さらに同社社員とみられる5人を引き連れ、遠藤氏の選挙を手伝わせていた」(地元関係者)
筆者はA氏ら6人の「ホテルルートイン大阪高石-羽衣駅前」の宿泊記録を入手。期間は、公示日直前から投開票日後まで。支払いは「X社」名義でされたと明記されている。ここに、政治資金規正法上の問題がある。
神戸学院大学の上脇博之教授が指摘する。
「企業が宿泊費を負担し、労務費が生じる活動に従事させれば、候補者への事実上の寄付行為(労務提供)となる。政治資金規正法では企業の候補者個人への寄付は禁止。企業等の寄付の制限(21条、22条の2)に違反する可能性があります」
質問状を送付すると、遠藤氏は個別の問いには答えず、「政治資金については法令にのっとって適正に処理」と回答。
今や与党の維新の会。「都合の悪いことは説明しない」。そんな姿勢は、もはや許されない。
▽河野嘉誠(かわの・よしのぶ) 1991年東京都生まれ。早大政経学部を卒業後、「サンデー毎日」「週刊文春」の記者を経てフリー。情報提供はこちらまで。





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