【芸能界クロスロード】


 数あるワイドショーの中で圧倒的な人気を誇るテレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」。少数精鋭のコメンテーター陣も勝因のひとつだが、月~金のレギュラーを務める玉川徹の存在も大きい。

テレ朝社員からフリーになった現在も、論客ぶりは変わらず。どんなジャンルでも持論を展開。時折、ネットで炎上することになるが多少の暴走も想定内だろう。


 コメンテーターはタレントのように好感度を気にして「いい人」になる必要はない。むしろ、多少でも「クセの強い人」のほうが視聴者受けはいい。


 東に玉川がいれば、西にもクセの強いコメンテーターで活躍中の橋下徹がいる。


 大阪維新を立ち上げ大阪府知事を務めた実績を持ち、現在は弁護士の肩書で情報番組に欠かせない存在。同じ2時台の「ミヤネ屋」と「ゴゴスマ」が、異例の曜日を替えて出演してもらう人気を誇る。


 橋下の強みは政治経験に基づいた解説。橋下もたまに発言が炎上することもあるが、「予定調和のコメンテーターばかりではつまらない」と嘆かれがちな番組を盛り上げるのに一役買っている。


「最近は中央政界だけでなく、地方の市長がトラブルを起こす時代。世間の関心は高く、政界の話ができる人は必要。

橋下氏の確保が難しく、代わる人を欲しがっている」(テレビ関係者)


 政治家出身のコメンテーターは他にもいるが橋下に比べたら物足りない。“薄口評論家”の肩書もある杉村太蔵、美人の誉れ高い金子恵美とも、議員を短期間務めただけでは実績不足。諸先輩の政治家の話をしても説得力に欠ける。


 駒不足の現状のなか、出てきたのが政界を引退した石原伸晃。


「父の慎太郎、弟の良純同様、トークもうまいし、今も政界とのパイプもあり興味深い話ができる」と評判は上々。橋下と並び今後の情報番組の柱になる。


 気になるのが前伊東市長の田久保真紀氏の動き。再び市長選に立候補するとして騒がせているが、関係者の間では「当選することより、パフォーマンスが彼女の狙い」ともいわれており、落選後は、情報番組が彼女のキャラを買って、出演を画策しているという。


「卒業証書19.2秒」が流行語大賞にノミネートされ話題性も十分。なかでもTBS系の「サンデージャポン」が田久保氏にいまだに接触するなど熱心。田久保氏も肩の荷が下りたのか、円くなった感もある。前伊東市長の肩書で情報番組を賑わすかもしれない。


 政治経験はないが、政治家との不倫経験のある元朝日放送アナウンサーで数日間のキャスター経験もある山本モナも再び番組に戻ってくる可能性が出てきた。


 先頃、山本は自身のインスタで3人の子育てをしながら、司法試験に合格したことを報告。今後は弁護士として活動予定という。


 元フジテレビの女子アナから弁護士になった菊間千乃も本業の傍ら“モーニングショー”などで熱弁を振るうが、山本には3人の子育てをしてきた「お母さん」の肩書もある。


 弁護士としてだけでなく、政府挙げての課題である「少子化対策」の話にも対応できる。


「根っから明るい子」といわれる山本。若気の至りで経験した不倫についても、笑い話に変える度量があるようにも見える。


「来春の改編期に向けて番組は山本と交渉するとみられる」(テレビ関係者)


 スキャンダルで2度にわたり番組を降板した山本。最強の弁護士となり、情報番組で3度目の正直を果たすか。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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