虚偽答弁なのか。5日の参院予算委員会。
「過去は週刊誌側に、弁護士と共に抗議文を送ったことも、訴えたこともありましたが、何の効果もなかった」「時間と労力を使い、大変な負担を負い、(中略)名誉の回復もなされない」
そして「私は今、日本国を背負って国家経営に取り組んでいる。本当にそういうことに時間を使っている暇はない」と大見得を切ると、自民党議員の席から拍手が起きた。だが、しかし──。
答弁当日から、SNSでは「高市本人が週刊誌を訴えた訴訟記録が存在しない」とする真偽不明の投稿が拡散。仮に本当なら高市首相は国会の場で「真っ赤な嘘」をついたことになる。日刊ゲンダイは事実確認のため、高市首相の国会事務所に取材を申し込もうと何度か電話したが、常に不通。地元・奈良事務所は「担当者不在」を理由に取材拒否だ。
それならば、と首相就任後に閉鎖した高市ブログのアーカイブを精査。2000年8月から25年7月まで、およそ25年間、その時々の思いを書きつづった記録だ。すると、02年4月4日に「怪文書と週刊誌捏造報道への怒り」と題して〈選挙区内に「怪文書」が大量にばら撒かれた〉と訴えていた。
〈ナントカ池の埋め立て工事に口を出したとか、その工事でお金を儲けて脱税したとか、そのお金で2億円の豪邸を建てたとか〉と怪文書に触れた上で、内容を否定。
さらにブログは〈2次被害が発生。ある週刊誌が怪文書の内容と両親の家の写真を掲載したのです〉と続く。高市氏は具体名を伏せたが、該当記事は同時期の週刊現代(02年3月30日号)に存在した。モノクログラビアで「両親が普段は住んでいるという」とのキャプション付きで新築の自宅写真を掲載。記事には怪文書を否定し、新築の経緯を語る高市氏のコメントも出てくるが、ブログで高市氏は〈私にろくにインタビューもせずに何故か私のコメントなるものまで捏造して掲載〉〈明らかに虚偽の報道〉と主張していた。「強い言葉」は今も24年前も変わらない。
ブログ約1000本を精査しても記載なし
ところが〈報道で自宅が特定された途端、家にペンキを投げ込まれるなどの嫌がらせがスタート〉〈家族の命に関わる事件が起きた時に週刊誌は責任を取ってくれるのでしょうか〉とまで書きながら、該当記事に抗議したり、提訴したとの記載はナシ。〈せめて本人にしっかり取材をして正確に報道していただきたい〉と記すのみで、あとは怪文書バラマキ犯人の早期逮捕を願うのだ。
他にも約1000本のブログ記事を確かめても、週刊誌を訴えたとの記載は出てこない。12年9月1日には〈両親から人として最低限のモラルだけは教えてもらえた〉とし、初当選した93年夏の衆院選でのエピソードを紹介していた。当時、高市氏の母が実家に押しかけて来た週刊誌記者を追い返すと、高市氏の父はこう言って強く叱ったという。
〈「記者さんだって仕事で来ているのだ。暑い中を東京から来られたのだから、冷たいおしぼりとお茶を出して休んでいただくのが礼儀だろう」〉
週刊誌憎しの高市首相は、今こそ父の教えを思い出すべきである。
◇ ◇ ◇
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