『あな番』も ドラマに猟奇殺人犯オチが多いのは「楽だから」

記事まとめ

  • 『あなたの番です』の猟奇殺人犯オチに「安直すぎる」「またか」という声がある。
  • 映画批評家は、犯人を猟奇殺人犯するのは作り手も演者も楽だからだと語る。
  • 設定に多少の無理が利き、コンプライアンスに頭を悩ませなくて済むという。

「あなたの番です」も…ドラマに“猟奇殺人犯”が多用されるワケ

「あなたの番です」も…ドラマに“猟奇殺人犯”が多用されるワケ
主演の田中圭の人気はうなぎ上りだが…(C)日刊ゲンダイ
「設定が安直すぎる」なんて声もある。日本テレビ系の連続ドラマ「あなたの番です」は、田中圭(35)と原田知世(51)のダブル主演で、日テレでは25年ぶりとなる2クール放送で話題に。8日に放送された最終回は、平均視聴率19%台と番組最高を記録した。

 以下、ネタバレになるが、結局、連続殺人事件の“黒幕”は「人を殺すことで生きていることが実感できる」というサイコパスの猟奇殺人犯だった。

「犯人は元乃木坂46の西野七瀬が演じた女子大生でした。4月期の1クール目の視聴率は1ケタ台と低迷しましたが、7月期の2クール目は2ケタ台とジワジワと上昇。ドラマの原案と企画が秋元康氏だけあって、視聴者の心をつかむのがうまいのでしょうが、一方で、ネット上には西野の演技を酷評したり、殺人衝動にあらがえない犯人という設定が『安直すぎる』という声も少なくない」(テレビ誌ライター)

 確かに、ドラマでも映画でも“猟奇殺人犯”は見飽きた感がある。「またか」という気がしてしまう。1991年公開の米映画「羊たちの沈黙」でアンソニー・ホプキンスが演じたレクター教授に衝撃を受けた人は多いだろうが、あれから30年近く。今はもう慣れっこじゃないか。

「類似品が腐るほど再生産されるのは、作り手も演者も楽だからでしょう」と、映画批評家の前田有一氏はこう続ける。

「サイコパスの猟奇殺人犯は、記号的にはファンタジー映画のモンスターと一緒で、何でもアリ。設定に多少無理があっても『だって普通じゃないもんね。仕方ないよね』で済まされてしまう。犯人を猟奇殺人犯にしておけば、どこにも角が立たない。視聴者から『職業差別だ』なんてクレームが入るリスクも少ないわけです。その点、動機がある殺人ドラマは、見る側を納得させる心理描写が難しい。作り手の力量が問われます」

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