42歳の筆者は家電・日本酒の担当ながら、実はサッカー経験者でもあります。近年、自分のなかでサッカー熱、フットサル熱が高まっていたところに、ナイキジャパンがサッカースパイク「ファントムシリーズ」の新製品を発表するとの知らせが。

そのお披露目会および体験会は、東京・豊洲にあるMIFA Football Park(ミーファフットボールパーク)で行われ、そこで実際に新製品を履いて体験できるとのこと。これは楽しそう!

この性能、ルールで禁じなくていいの? ナイキ新作サッカーシューズ「ファントム ヴェノム」は「本能が欲する」仕上がりだった
↑体験会の会場、MIFA Football Park。3面のフットサルコート(40×60mのコート1面としても利用可能)と、カフェスペースや接骨院などを備えています

「精密さ」がウリの新製品をサッカーコートで実際に試す

というわけで行ってみたら、参加したメディアの記者には1人1足、新製品が配られました! 新製品の名は「PHANTOMVNM(ナイキ ファントム ヴェノム)」。2019年1月25日より、随時NIKEアプリおよび一部店舗にて発売開始とのこと。おお、ヴィヴィッドなオレンジ(ブライトクリムゾンというそうです)と、なかなか主張するカラーリングですね。それなりの実力がないと履けないかも。

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↑インパクトのあるカラーリング。
ブラックのラバーがアクセントに

ちなみに、製品のキャッチコピーは「精密さで沈めろ」となっていて、英語で言うと「precision」(プレシジョン=正確・精密という意味)を重視したモデルとのこと。フィニッシャー、つまりストライカーに向けたシューズであり、パワフルで正確なショットと、シュートに至るまでの精密なコントロールを可能にするモデルのようです。

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↑ナイキ ファントム ヴェノムのキービジュアル。背景には「精密さで沈めろ」とあります

部位で異なるテクスチャーを採用し、場所によってソールの屈曲性も変えた

そのプレゼンを聞いてみると、同モデルが、ありとあらゆる技術の結晶だというのがよくわかります。軽量で柔軟性のあるフライニットをベースとし、アッパーの前足部には、バツグンのボールグリップをもたらす六角形状の3Dマイクロテクスチャー加工を採用。足の甲の内側には13本の隆起を施してパワーとコントロール向上に貢献するとのこと。

このほか、足の甲のキッキングゾーンを30%拡大させたほか、中足部にはシューレース(靴ひも)の締め付けと連携するフライワイヤーを内蔵し、ホールド感を向上。

さらに、ソールは場所に応じて屈曲性を変えることで、俊敏な動きを実現するといいます。いや~、これはスゴイ。

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↑足の甲の内側部分は「プレシジョン パワーストライクゾーン」と名づけられています。こちらには一定の角度をつけたラバー製の13本の隆起を採用。シュートがあまり高く飛ばないように役立ち、ボールの食いつきやからみを良くするといいます
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↑アッパーの前足部には、六角形状の3Dマイクロテクスチャー加工。シューレース部分の前の部分をフライニットが覆うことで、フラットな打球面が増加しています

履くときはシュータンとかかと部分をひっぱって、足をスポッっと入れる感じ。

短い靴下を履く感覚に似ています。履いたあとは足に吸い付いてまったくズレないので、ちょっと不安になるほど。そして、フライニットの恩恵でしょうか、とにかく軽い!


自分の素足以上に繊細にタッチできる感覚が楽しい!

では、実際にプレイしてみましょう。まずは、ポールの間を縫ってドリブル&シュートを行う練習から。アウトサイド、インサイドでボールを押し出す感覚が楽しいです! 柔らかいから足のいろいろな部分が使えるし、シューズが適度にボールを噛むので、自分の素足以上に繊細にタッチできる気がします。はぁ、これはいい……。

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↑ポールを縫って進むドリブルも気持ちいい!(写真はナイキ アカデミーのコーチ)
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↑ソールプレートのつまさき部分の柔軟性が高いのも特徴

続いて、スピードガン付きのゴールへシュート練習。

パワーがある人はスゴイですね。最高で時速62kmを記録していました。一方、筆者は左右とも最高時速47kmで、両足とも等しく弱い! とはいえ、優秀なスタッドとソールプレートのおかげか、軸足がブレずに地面を噛む感触がありましたし、生地の柔軟性もあいまって、シュートのコントロールは良かったように思います。

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↑シュート練習のシーン(シューターは筆者ではありません)
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↑V字型ブレードスタッドを採用。あらゆる方向に対して優れたグリップ力を発揮するとのこと

切り返したときにグリップとアッパーの性能を思い知る

続いて、攻撃側と守備側に分かれてマッチアップ形式の練習を。このとき、筆者はタテへ行くと見せかけて内へ切り返し、一発でディフェンダーの逆をついてシュートを叩きこむことができました。これぞまさに、ブレないグリップと繊細なアッパーのなせるワザ。

うーん、いま思い出しても気持ちいい……。あの記憶だけであと1か月、ごはん3杯はいけそうです。

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加えて、タッチの感触も本当にいいですね。トラップのときは、ボールが足先に当たると衝撃を吸収し、同時に軽く弾くのがわかります。音で表すと、「テイン」といった感じで、すぐ蹴れる位置にピタっと止まる……。お世辞抜きで、生涯で経験したなかで最高のサッカーシューズだと思いました。

これほどの機能性があれば、ルールで禁じられてもおかしくないのでは? 筆者はメインがフットサルなので使う機会は少ないのでしょうが、…これは欲しい! と思いました(シューズは体験会ののち回収されました)。でも、これだけの機能が詰まっていたら、さぞお値段もお高いんでしょう…?


人数をかき集めてでもサッカーがしたくなるシューズ

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…と思ったら、税込2万7000円とのこと。むむ、やはり……。しかし、この価格もある意味納得です。本能が欲してしまうような、とてつもない魅力があるわけですから。たとえるなら、かつおの内蔵を使った塩辛「酒盗(しゅとう)」のような。酒盗は、あまりにお酒に合うので「酒を盗んでまで食べたい」といわれたおつまみ。これと同様、わざわざシューズの感触を楽しむために、苦労して人をかき集めてでもサッカーがしたくなる……。「ナイキ ファントム ヴェノム」は、そんなシューズでした。

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↑こんなプレゼントが枕元に置いてあったらうれしいだろうな。季節はずれのサンタさん、来ないかな……