大都会・東京に秘められている恐怖の物語をテーマにしたオムニバス形式のホラーミステリードラマ『東京二十三区女』。全話に登場する岡山天音さんと、同じく全話に登場し、第6話「品川区の女」で主演を務める島崎遥香さんにお話を聞きました。

島崎遥香&岡山天音インタビュー!WOWOWオリジナルドラマ『東京二十三区女』


作品を見た後「ここにも何かあったんじゃ…」と思うかも

倉科カナ安達祐実桜庭ななみ壇蜜中山美穂らそうそうたる主人公たちが、「渋谷川の暗渠」「夢の島」「東池袋中央公園」「お台場」「縁切榎」「鈴ヶ森刑場跡」といった、東京に実在する知られざる物語が秘められた場所へと足を踏み入れ、隠された恐ろしい伝承、歴史、そして人間の哀しい過去を目の当たりにする今作。どんな作品に仕上がったと思いますか?

島崎:作品を見た後に街を歩くと、「ここにも何かあったんじゃないか」と思っちゃうような作品になったのではないかと思います。

岡山:普通のホラーやミステリーとはひと味違った要素がたくさん詰まったドラマになってますよね。

◆島崎さんが演じたフリーライターの璃々子と、岡山さんが演じた元民俗学講師で璃々子の先輩・島野は、共に各話の恐怖スポットを巡る役どころ。共演シーンも多かったと思いますが、お互いの印象はいかがですか?

岡山:島崎さんは、不思議ですよね。明るいのか暗いのか分からない(笑)。

島崎:そうかもしれないです。

当たってるかも。確かに自分でも、明るいのか暗いのか分からない(笑)。

岡山:パブリックイメージよりもとっても優しいし、たくさん話してくれるし、楽しかったです。せりふが多くて大変な役ではあったんですけど、璃々子が島崎さんで楽しかったです。

島崎:岡山さんは、何でも合わせてくれるんですよ。優しい。

何でも話を聞いてくれるというか。

◆撮影はいかがでしたか?

島崎:その場所その場所で監督から、「ここではこういうことが昔あって」というのを聞きながら撮影していたので、本当に怖かったですね。何か撮影中に起こるんじゃないかと思って。

岡山:僕はとにかく、「しゃべってたな」っていう印象で(笑)。こんなに説明ぜりふがある役もあまり経験がないですし、キャラクター的にもなかなか演じたことのない役だったので、普段使っていない脳みその部分を使って演じている感じでした。僕は霊感が全然ないので、せりふが出てこないことの方が怖かったです(笑)。

島崎:『縁切榎』では、実際に縁を切りたい相手の名前が書いてある絵馬がたくさんあって…。

岡山:撮影中も実際に『縁切り榎』に来ている方たちも結構いらっしゃいましたよね。“願掛け”は、自分は日常ではあまりやらないですが、「あ、これだけ人が来るのか…」と思いました。

島崎:しかも、そこに来ている人から(絵馬を)書いた後に、握手してくださいって言われたんです(笑)。「どういう気持ちで私は握手したらいいんだろう」と思ってしまいましたが、握手をするとその人が「ありがとう」と笑顔になってくださって…うれしかったですね。自分がアイドルをやっていて良かったと思えた瞬間でした。


「上の階の人がうるさくて」って言ったら「え、待って」「最上階だよ」って

◆これまでに実際にお二人が体験した恐怖体験は?

岡山:僕は霊感が全然ないので、そういうのはないんですけど…。でも、この作品ではないホラーの作品を撮影しているときに、僕が死ぬシーンを撮ってたんですよ。そのときに撮影が終わって携帯を見たら母親から連絡がきていて、あとで連絡をしたら、撮影した時間帯に僕から電話がかかって来たと。でも、出られなくて、掛け直そうと着信履歴を見たら履歴には残っていなかったらしくて…。

島崎:私も違う作品で、地方でホテルに泊まり込みで撮影をしていたときに、上の階の人の足音がうるさいなと思いながら寝たんです。それで次の日にマネージャーさんに「上の階の人がうるさくて…」と言ったら、「え、待って」って。

「最上階だよ」って。それは後々ゾッとしました。

◆ちなみに、幽霊は信じていますか?

岡山:僕は信じてますね。この仕事をしているとそういう話も聞くので。いろんな撮影地に行ったり、いろんなところに泊まったりするので、いるのかな~とは思います。実際に感じたことはないんですが、よく「憑いてる」とは言われるんです。

自覚はなくても、祓ってもらうと運気がちょっと上がったりするんですよね。

島崎:私も、日本ってちゃんと“お祓い”とかっていう文化もあるから、それが代々昔から続いているっていうことは、何かあるのかな、とは思ったりはします。

◆それでは、皆さんが一番“恐れていること”は?

岡山:“孤独”ですかね。時間があると1人で過ごすことが多いのですが、最初は好きで過ごしていたんですけど、これっていつまで1人なんだろうなっていう(笑)。

島崎:私が単純に怖いのは“ジェットコースター”です(笑)。ジェットコースターを好きな人って、なんで好きなのかなって。だって自ら落ちるんですよ?(笑)苦手ですね。乗ったことはありますけど、内臓が揺れません?内臓が浮き出るような気がします。

岡山:浮き出る(笑)。じゃあ、その時は結構ハードなやつ乗ったんですね。そのときは。

島崎:いや。これは結構大丈夫なやつだから、って言われて乗ったんですけど。

岡山:いや、なかなか浮き出ないですよ、中は(笑)。

◆それでは最後に、メッセージをお願いします。

岡山:単純に幽霊が出て来て怖い、っていうだけじゃなく、実際のその土地の噂や言い伝え、普段自分が当たり前のように過ごしてる土地や生活の中で接することを、ふと疑って見たくなるような、もう一つエッジの効いた新しい作品になっています。話によって作品のテイストが変わったり、各女優さんが本当に切ない人間ドラマを演じてらっしゃるので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

島崎:全6話で、5話まで気づかなかったことが6話で分かるようなことがあります。とにかく6話は衝撃だと思うので、全話見ていただけたらと思います。

■PROFILE

島崎遥香
●しまざき・はるか…1994年3月30日生まれ。埼玉県出身。A型。ドラマ『今日から俺は!!』『ひよっこ』、映画「翔んで埼玉」「ニセコイ」などに出演。

岡山天音
●おかやま・あまね…1994年6月17日生まれ。東京都出身。AB型。ドラマ『I”s』『デザイナー 渋井直人の休日』『ゆうべはお楽しみでしたね』などに出演。主演ドラマ「ヴィレヴァン!」が5月13日(月)から放送。

■ドラマ情報

『東京二十三区女』
WOWOWプライム
4月12日(金)スタート
毎週(金)深0・00~0・30
【全6話】※第一話無料放送

●photo/石原敦志 text/寺田渓音