投票の趨勢からエジプト・ムスリム同胞団の「地盤」を探る(東京大学准教授 池内恵)

10県のうち8県で賛成票が反対票を上回った。そのうち4県では賛成票が76~79%と「ダブルスコア」で圧倒している。しかしそれらは上エジプトやシナイ半島のいわば「地方」で、人口が少ない。地中海沿岸の第二の都市アレクサンドリアやナイル・デルタ地帯では、賛成票は反対を上回っているが、ダブルスコアまでの大差ではない。

●カイロでは反対票が上回る

首都カイロでは賛成票950,532 (43.1%)に対し反対票が1,256,248 (56.9%)で大きく上回っている。ナイル・デルタ地帯のガルビーヤでも反対が52.13%で上回ったようである。有効投票者649万人(今年5月から6月の大統領選挙の時点での数値:以下同じ)を抱えるカイロでの反対票の幅によって、地方での圧倒的な票差を縮めているようだ。

しかしアレクサンドリア(有効投票者329万)ではムスリム同胞団やサラフィー主義(超伝統主義派)が勢力を増しており、今回も55.6%が賛成票を投じた。

第二回投票で反ムルスィーを掲げるリベラル派や旧政権派が、第1回投票でついた票差を縮め、覆すのはかなり難しい。第2回投票がなされる県のうち、人口規模が最大なのは、カイロ都市圏に属すギザ県(同429万人)だが、これまでの選挙での投票の動向を見る限り(行政区としての)首都カイロのように大差で反対票が上回るとは考えにくい。ギザ県はピラミッドやスフィンクスがあることで知られるが、観光地を取り囲んで砂漠に膨大な低価格の集合住宅群が広がるスプロール地帯であり、まさにムスリム同胞団の票田である。あまりに広大で急速に拡大しているために、ムスリム同胞団すら浸透が追い付かず、「取り残された」広大な地域がサラフィー主義諸勢力の草刈り場になっている。しかし今回は両者とも憲法草案への賛成を表明し、早期の新体制設立を呼び掛けている。...続きを読む

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