2014年8月29日、三井製糖と三井物産は、タイで製糖・発電事業を営むコンブリ・シュガー株式会社(以下、コンブリシュガー)の新株予約権を行使し、出資比率をそれぞれ5.6%、11.1%に引き上げた、と発表した。

その他の写真:スプーン印でお馴染みの三井製糖の神戸工場。


 新株予約権は、コンブリシュガーが2014年2月に実施した第三者割当増資を引き受けた際、同時に取得しており、今回の新株予約権行使により三井製糖は2億1000万バーツ(約6億8000万円)、三井物産は4億2000万バーツ(約13億5000 万円)を追加出資した。

 タイ国は世界第2位の砂糖輸出国であり、砂糖のグローバルトレードの最重要拠点と位置づけられている。加えて政府の農業政策の転換により米からサトウキビへの転作が奨励されており、今後5年間で1.5~2倍の生産量が見込まれる。

 コンブリシュガーは既存砂糖生産設備の増強やバイオエタノール工場新設を計画しており、今回出資した資金をこれらの投資計画の原資の一部として活用を図る。

 砂糖生産設備の増強ではサトウキビ圧搾能力を現行の日量2万3000トンから同3万5000トンに引き上げ、能力拡張により販売量の増加、生産性向上、コスト削減等を目指す。

 また、日量200キロリットルのエタノール製造工場を新設し、砂糖事業からの多角化を図り、価格変動の大きい砂糖相場に左右されない安定的な収益獲得を目指す。


 今後は、三井製糖の持つ技術、グローバルネットワークを活用することで、アジアにおける砂糖事業の拡大と連携強化を目指す。

【編集:YK】