2017年4月8日、アウンサンスーチー外相兼国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)政権が発足して初めての補欠選挙で、NLDの失策を指摘する見方が広がっている。4月1日に行われた補欠選挙では、上下両院の12議席のうち、NDLは8議席を獲得したが、現有議席だったモン州では、旧軍事政権の流れをくむ国民団結発展党(USDP)の候補に敗れた。シャン州やラカイン州でも軒並み少数民族政党に敗北。現有の9議席から1議席減らすこととなり、NLDの選挙戦略の稚拙さがクローズアップされる結果となった。

その他の写真:ヤンゴンの中華街の選挙区では寺院が投票所となっている(撮影:北角裕樹)

 NLDが議席を落としたモン州では、同党はいくつもの失敗を重ねた。地元紙ミャンマータイムズなどの報道によると、モン州モーラミャインで建設中の橋について、スーチー外相の父で独立の英雄アウンサン将軍にちなんだ名称とすることをNLDが過半数を占める国会が決議。これを「ビルマ族の押し付けだ」と受け止めたモン族の住民が反発し、約2万人が参加するデモに発展した。「モン族の有権者はNLD政権が自分たちの意見を無視していると受け止めた」とあるミャンマー人記者はみる。

 また、NLDが擁立したエイウィン氏が、地元では無名な落下傘候補であったのに対し、USDPはモン族で地元経済に通じたアウンチーテイン氏を擁立した。当選したアウンチーテイン氏はイラワジ誌に対し「選挙期間の60日中55日を選挙区回りに費やした」と語り、徹底したどぶ板選挙を展開したことを明らかにしている。週刊誌ミッジーマ元編集局長のセインウィン氏は「USDPの候補者選びが奏功した。多くの有権者が党だけでなく候補者を重視して投票した」と解説する。