2017年9月11日、ミャンマーの若手映画人の登龍門になっているワッタン映画祭が閉幕し、ドキュメンタリー部門の最優秀賞には、同性愛者の恋愛を描いた「ア・シンプル・ラブストーリー」が選ばれた。この映画は当局の検閲により上映中止に追い込まれた作品。ワッタン映画祭はこの映画を上映はしなかったものの、最優秀賞に選んだことで、ミャンマーで依然として続く事前検閲に抗議する強いメッセージを送った形だ。

その他の写真:受賞した「ア・シンプル・ラブストーリー」が掲載されたパンフレット

 関係者によると、同映画の同性愛を肯定的にとらえたメッセージが問題とされたという。当局の指導に対して、ニンパパソー監督ら制作側は修正に応じず、映画祭で上映することができなかった。この作品はコンペでは一般公開されなかったものの、映画祭は審査対象として扱った。受賞が決まった閉会式では、他の受賞作品は再度上映されたが、この映画だけはできなかった。ドキュメンタリー部門の審査を担当した審査員のマーク・エバール氏は発表の際、「政治的な理由で選んだのではない。良い作品なので選ばない理由がなかった」と話した。

 ワッタン映画祭ではこのほか、ショートフィルム部門で、ミャンマーの伝統行事の子どもの出家について描いた社会派アニメの「ターシンピュー」、ヤンゴン環状線の日常を描いた「トレイン」がニュービジョン部門で受賞した。日緬合作映画として初めてノミネートされ話題となっていた「一杯のモヒンガー」は入賞を逃した。