エアアジア・フィリピン(Z2)は、2024年10月29日から新規就航を予定していた名古屋=マニラ線を、急遽中止することを決定した。フライトを予約していた利用者には10月15日にSNSで欠航の連絡が入り、衝撃を与えた。


その他の写真:資料写真・2015年10月16日、マレーシアに本拠を置くエアアジアグループの日本法人、エアアジア・ジャパンの初号機エアバスA320(機体番号JA01DJ)が、愛知県の中部国際空港(セントレア)に到着した。

 エアアジアの就航計画は杜撰な部分が目立ち、今回のケース以外にも成田=セブ線の短期間での運休などが挙げられる。LCCの場合、路線が廃止された場合には振り替え便が手配されることはなく、通常は返金処理のみとなる。今回、新規就航でお得な運賃を手に入れていた利用者にとって、その影響は大きく、名古屋-マニラ間を運航するフィリピン航空、セブ・パシフィック航空、ジェットスター・ジャパンのいずれかの航空券を改めて購入することに。

 特にセール運賃で購入していた場合、通常運賃への差額が大幅に跳ね上がることも考えられる。一方、セブ・パシフィック航空はこの路線を毎日運航に切り替えることを決定しており、エアアジアの集客力の低さが新規就航中止の主な要因だ。航空券を購入していた人からは「もう、エアアジアの航空券は絶対に買わない。新規就航が無くなることは想定していなかった。エアアジアは無責任すぎる」との声も聞こえる。

 さらに、名古屋(中部)空港は、かつてエアアジア・ジャパンの本社があった場所で、今回の一連の事象はエアアジアとこの地域との相性が悪いとも言える。LCC航空券購入にはリスクが伴うことを、今回の事例は如実に示している。
【編集:af】
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