医者にかかったとき、「五分五分です」と言われたら……? 「え、そんなに悪いんですか!?」と驚きますよね。実はこれ「50%の確率でしかよくならない」ではなく、「ほぼ大丈夫」という意味なんです! 言葉の裏に隠された「医者コトバ」のホンネを、ドクターに教えてもらいました。


医者の言葉は「いい方に考える」のが正解

「医者の言葉は5割増しでイイ方に考えてOK!」と言うのは、形成外科医で『医者が家族にだけはすすめないこと』(セブン&アイ出版)の著者でもある北條元治先生です。
「医者が患者さんやご家族に言う言葉って、実はものすごく大げさなんです。物言いが慎重、とも言えますが、医療訴訟が増えてからは、よりその傾向が強いですね。
助かると言ってダメだったら、患者さんは怒るでしょう? でも、悪く言っておいて成功すると、逆に感謝されますから」

医者が治せる病気は1%ぐらいしかないことも知ろう

医者コトバが大げさになる理由にはほかにもいろいろあるそう。
「医者が治せる病気なんて、実は1%くらいしかないんです。でもわからないとは言えないから、いろいろごまかしている。

例えば、咳の患者さんなら、死亡につながる肺がんと結核の可能性だけはチェックする。それをクリアしたら、あとは保険のため適当な病名をつけて帰したりします」

医者の言葉を信じて落ち込み、免疫力が低下して本当に病気が悪化……なんてことにならないためにも、自分の感覚を大事にすることも、元気な体を取り戻すには必要なことです。

真に受けてはダメ。これが医者コトバのホンネだ!

●「十中八九ダメでしょう」
(ホンネ:五分五分だな)
うかつなことを言って、結果が思わしくなかったとき非難されないための防御策でこう言っています。

●「五分五分ですね」
(ホンネ:ほぼ大丈夫)
これも同様の理由です。「手術しても助かるかどうかは五分五分と言われたら、まず助かりますね」(北條先生)。


●「絶対無理です」
(ホンネ:2割は治る)
失敗も覚悟の上で「そこをなんとか!」と食い下がってOKです。

●「病名は“慢性◯◯”です」
(ホンネ:何の病気かよくわからない)
「病名に“慢性”とついたら『治せない』と思っている場合が多い。保険での診療には請求のために何か病名が必要なので適当につけるんです」(北條先生)

●「しばらく様子を見ましょう」
(ホンネ:そのうちよくなったらいいな)
医者が「治し方がわからない」と思ったとき使うのがこれ。同じ症状の診察でこれが2回続いたら、その医者は治療できないので転院した方がいいかもしれません。

●「この治療法がベスト」
(ホンネ:症状は消せるが元気になるとは限らない)
医者の仕事は、目の前の症状を治すこと。症状が消えても、元気な健康体にならないこともありますが、医者にとっては関係ないことなのです。


●「有効性は証明されています」
(ホンネ:2割くらいは効かないけど)
治療法や薬は、8割の人に効果があっても、2割は治せないということがよくあります。でも、8割に効果があったら、医療業界では有効性が証明されているということに。「絶対治る」と安心しない方がよさそうです。