『芸能人は歯が命』という言葉がありますが、芸能人でなくても歯は大事ですよね。
できれば輝くような白い歯、健康的な歯でいたいのはみなさんも同じでしょう。
ただ、歯磨き粉は本当にいるのでしょうか。中には「あってもなくても一緒だ」という人もいるのだとか。
そこで、歯磨き粉の必要性について、歯磨き粉をはじめ、多くのオーラルケア製品の開発・販売を行っているサンスター株式会社(以下、サンスター)に聞いてみました。
そもそもなぜ『粉』なのか
まず、歯磨き粉という呼称です。現在では、歯磨きペースト、歯磨き剤といった名称もあるものの、多くの人が「歯磨き粉」と呼んでいますよね。
なぜ『粉』かというと、昔はその名のとおり、粉末状のものを袋や缶に入れて売っていたからです。庶民に歯磨きの習慣が根付いたのは江戸時代になってからのこと。
江戸時代初期、1625年に丁字屋喜左衛門(ちょうじやきざえもん)という人が、日本初の歯磨き粉『丁字屋歯磨(大明香薬)』を発売したのが始まりといわれています。
この歯磨き粉には『歯を白くする』『口の悪き臭いを去る』という効能がうたわれており、房楊枝(ふさようじ)に付けて使用しました。
房楊枝というのは、先を広く細かく割いた楊枝で、現在でいう歯ブラシ。
つまり、江戸時代の昔から、歯磨き粉を付けて歯ブラシで歯を磨くということが行われていたのです。
現在のようにチューブに入った歯磨き粉が発明されたのは1907年。
これが小林富次郎商店の『ライオン固練りチューブ入り歯磨』でした。
※写真はイメージ
歯磨き粉は本当に必要なのか
昔から歯磨き粉が使われてきたのですが、これは本当にいるものなのかをサンスターに聞きました。
――歯磨き粉や歯磨きペーストは歯磨きに必須?
歯磨き剤を歯磨きの際に使用することで、より効率的にブラッシングすることができます。
また薬用成分が配合された歯磨き剤では、より効果的にむし歯や歯周病などを予防することができるため、使用をおすすめしています。
――歯磨き粉が持つ機能は?
歯磨き剤にはプラーク(歯垢)を除去するだけでなく、配合された薬用成分の働きに応じた効果が期待できます。
例えば、歯茎の炎症を抑える成分や歯周病菌を殺菌する成分が配合されていると、歯周病の予防をすることができます。
ほかにも、フッ素が配合されているものは、再石灰化をうながし、歯質を強くすることができるため、むし歯予防につながり、清掃剤は、ステインという着色汚れを落とすことができます。
ご自身の口腔内状況にあった歯磨き剤を選ぶことが大切です。
※写真はイメージ
最後に歯磨きについて、サンスターからこのようなアドバイスをいただきました。
歯周病対策に重要なことは、歯周病原菌が潜伏する(歯と歯茎の境目などの)細かい部分のプラーク(歯垢)を除去することです。
そのためには、定期的に歯ブラシを交換し、歯垢除去力の高い状態で使用することや、いつもの歯磨きに加えて歯間清掃具、洗口液を使用することが効果的です。
ポイントは以下の3つだそうです。
1.定期的に歯ブラシ交換:毛先が広がったり、毛が傷んだりすると、プラーク(歯垢)や食べかすの除去力が低下すると考えられています。
自分ではきちんと磨いたつもりでも、徐々に磨き残しが増えてきているかもしれません。そのため、月に一度の歯ブラシ交換を推奨します。
2.歯間清掃具を併用:歯ブラシでのブラッシングに加えて、歯との間など歯ブラシが届きにくい部分は、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどの歯間清掃具も組み合わせてケアすることで歯間部のプラーク(歯垢)除去率は高まります。
特に歯間部の歯周プラークは、歯ブラシだけでは約60%しか除去できない(※)といわれているため、いつもの歯磨きに加えて歯間クリーナーを使用すること、奥歯にも届きやすい歯間清掃具を使用することが効果的です。
※歯間部のプラーク除去率(日歯保存誌.48(2),2005,272-277.)
3.洗口液を併用:洗口液は液体ですので、歯ブラシの毛先が届きにくいところや歯だけでなく、歯茎や舌、頬の内側など粘膜面にも薬用成分が行き渡ります。
また、口をすすぐだけで簡単に使用できるのも洗口液のメリットです。
サンスターのアドバイスにあるように、歯磨き粉は使ったほうがいいようですね。
みなさんも効能のある成分を含んだ歯磨き粉を使って、毎日丁寧に歯磨きし、歯を大事にしましょう。
サンスターからもたくさんの種類の歯磨き粉が販売されているので、気になる人はウェブサイトを覗いてみてください。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]