夏は、海や山に出かけるなど、子供たちが自然と触れ合える、絶好の機会でもあります。

その中でも、小さなカニやイソギンチャクといった、海の生き物を観察できる『磯遊び』はとても楽しく、学びも多いでしょう。

しかし遊ぶ時には、安全面はもちろんのこと、自然への配慮を忘れてはいけません。

磯遊びで岩をひっくり返したら、元に戻して

海洋生物についての本などを出版している、でんか(@K_theHermit)さんは、磯遊びを行う人々へ向けて、SNSでこのような注意を呼びかけました。

「磯遊びで岩をひっくり返したら元に戻してね」

理由は、岩場に住んでいた生物たちの環境を壊してしまうことになるから。

例えば、岩をひっくり返したままにしておくと、表側に生えている海藻には日光が当たらなくなり、裏側に隠れている小さな生物は、捕食されてしまいます。

残るのは、何もないツルツルとした岩だけに…。

生き物たちの住み家を奪ってしまうことになるため、元の状態に戻しておくことが大切です。

「岩をひっくり返したら戻して」 その理由に「納得した…」「必ず戻します」の声

環境省も、磯遊びの際には「石などをひっくり返したときは元の状態に戻しておきましょう」と呼びかけています。

観察中に採った生物は見終わったら元の住み場所に戻しておきましょう。また、石などをひっくり返したときは元の状態に戻しておきましょう。特に、石の裏に巣を作ったり、付着している生物は動くことができませんから、ひっくり返されたままでは死んでしまいます。


環境省 ーより引用

これは、海だけに限った話ではなく、川や山も同じ。生き物を観察して遊ぶ時には、自然に対するリスペクトを持って、接するようにしましょう。

でんかさんの投稿には賛同する人が多く、「大事なこと」「本当に守ってほしい」「人の家のドアを勝手に開けてそのまま帰るようなもの」などのコメントが寄せられています。

また「納得した。必ず戻すようにする」「子供に伝えておきます」と、でんかさんの投稿にハッとさせられた人も多かったようです。

自然に与える影響は『最小限』が当たり前

『grape』は、1年を通して同じ場所で観察を行なっているという、でんかさんに話をうかがいました。

――実際、人間によってひっくり返されたままの岩を見かけることは多い?

通年で同じ場所を観察していると、明らかに近日中にほかの人間が訪れて、岩をひっくり返してそのままにした痕跡が見られることがあります。

例えば、台風明けにも地形が変化していることはありますが、その場合は波や潮の影響を受けて海藻が抜けたり、動きやすそうな岩が大規模に動いていたりといった傾向が見られます。

一方で、人間が戻さない場合だと大小問わず様々な岩が局所的にひっくり返っていることが多いです。

――今回、SNSで呼びかけようと考えたきっかけは?

今回投稿しようと思ったのは、人がそこそこいる海水浴場に隣接する磯で、ひっくり返されたままにされている転石を見たのがきっかけです。

私は大学での経験からひっくり返した岩は元に戻す、ひいては『自然に与える影響は最小限』が当たり前のことなのですが、世の中の多くの人にとってはそうではないだろうなと思い投稿しました。

また、でんかさんは「磯遊びは楽しいものである反面、危険生物の存在や遵守すべきルールなど、事前に知っておかねばならないことがあるのも事実」と話しています。

遊びに行く前には、自身と周囲の安全や、どうすれば自然に迷惑をかけずに観察ができるかといった、正しい知識を身に付けて行く必要があるようです。

でんかさんは「これらを学ぶことができるのも、磯遊びのいいところ」ともいっています。

自然への正しい接し方は、大人が学ぶのはもちろんのこと、子供にもしっかり伝えていきたいですね。

[文・構成/grape編集部]