
2020年5~8月にかけて、ウェブメディア『grape』では、エッセイコンテスト『grape Award 2020』を開催。
『心に響く』と『心に響いた接客』という2つのテーマから作品を募集しました。
『grape Award 2020』心に響くエッセイを募集! 今年は2つのテーマから選べる
今回は、応募作品の中から『壊れた洗濯機の次のおうち』をご紹介します。
その日、私は、朝から新しい洗濯機が届くのを、ずっと待っていました。
我が家は5人暮らし、3人娘はまだ幼くて、遊び盛りなのに、3日前、我が家で一番の働き者の洗濯機が突然壊れてしまったのです。
困った私は、子どもたちがそれぞれ幼稚園と小学校に行っている間に、3歳の三女と大きな量販店で、あれこれ悩んでなんとか希望の洗濯機を注文。でも届くのは3日後…。
それから、洗濯物はコインランドリーでなんとかしのぎ、この日を待ちわびていました。
すぐに洗濯機を置いてもらおうと、壊れた洗濯機を玄関脇に移動して、洗濯機置場後ろなどの掃除をしていると、社宅の外でいつものように遊んでいると思っていた次女が傍に…「どうしたの?けんかでもしたの?」と掃除しながら聞くと「お母さん…この洗濯機ってこのあとどうなるの?」とぼそっと一言。
「え?洗濯機?」「うん、これどこに行くの?」と洗濯機をツンツン触る次女。
「さーー?どこにいくのかな?母さんもよく知らんのよね」と答えると「ふ~~ん」と次女。