
「安倍3選」が最大の争点となる自民党総裁選が近づいている。
安倍政権の5年間で、国民の多くが反対する法案の強行採決が繰り返され、虚偽や誤魔化しが横行し、公文書が改ざん・隠蔽され、議会制民主主義は完膚なきまでに蹂躙された。
しかし、今の自民党内には、これらのことについてまるで無批判。自民党内の大勢は「安倍3選」追認に流れている。このままでは日本の議会制民主主義は崩壊し、日本そのものの衰退に繋がるのは間違いない。
保守系月刊誌『月刊日本』9月号では、そんな自民党の現状を前に、自民党OBや現職、かつての野党議員の重鎮が「これでいいのか、自民党!」と叱咤の声を挙げている。
今回はその中から、自民党の重鎮として知られる村上誠一郎議員の声を紹介したい。
◆安倍さんは日本中に非常に悪い見本を示している──安倍首相の党総裁三選の流れが出来つつあります。
村上誠一郎議員(以下、村上):私は、安倍三選に大義名分はないと思います。本来国家の指導者は国民全体に模範を示さなければならない立場にあります。ところが、安倍さんは日本中に非常に悪い見本を示していると思います。
森友、加計学園問題、南スーダンとイラクの自衛隊の日報隠し、働き方改革法案の杜撰なデータ問題。いずれも、安倍さんが起点となって、安倍さんの側近や親しい友人が引き起こした不祥事です。安倍さんは、道義的・政治的責任が問われているのです。ところが、安倍さんにはその自覚もないし、反省もありません。