エアコン暖房は意外と省エネだった! かしこい暖房器具の選び方&効率を高めるポイントとは

エアコン暖房は意外と省エネだった! かしこい暖房器具の選び方&効率を高めるポイントとは

 肌寒い季節が到来し、そろそろ暖房機器の準備を始めている頃だろう。これまでは家にある機器をなんとなく使っていたかもしれないが、暖房機器の選び方や使い方次第で、効果や省エネ度合いは大きく変わってくる。暖かくしたい空間の広さや対象など状況に合わせて使い方を工夫してもらいたい。

◆意外と省エネ! エアコン暖房

 まずは広い空間を暖めたい場合だ。当たり前だが、どんな機器でも最大出力で運転する時間が長ければ長いほど、多くの電力を消費する。長時間暖かさを保ち、かつ省エネするには、この最大出力の時間をいかに短くするかがポイントになる。

 大空間、長時間の運転という点で最もお薦めしたいのが、エアコン暖房だ。エアコンは起動時に大きな電力を消費するものの、設定温度になった後は自動車の5速運転のように、少しのエネルギーで室温を維持することが可能だ。そのため他の暖房機器とは異なり、小まめにスイッチのオンオフを繰り返すよりも、1時間程度の比較的短い外出時間であれば、自動モードでつけっぱなしにしていた方が効率良く運転できる。エアコンは、適切に活用すれば他の暖房機器と比べて最も省エネ性能が高いと言えるだろう。

 ただ室内環境によっては、エアコンが不快の原因となる場合もあるので、適切に対応したい。まず一般的には空気が乾燥しやすくなるので、湿度が40%以下になるようであれば、洗濯物を室内で干したり、入浴後の浴室のドアを開けっ放しにしたりして湿度を上げてみよう。もしどうしても乾燥して困るという場合は、加湿器を使うという選択肢もあるだろう。

 またエアコンは、何年も掃除しないまま使っていると内部でカビが発生し、有害な空気が吹出口から放出される可能性もある。できれば毎年、少なくとも3年に1回は清掃したい。数年に一度の大掛かりな清掃は、清掃業者への依頼も検討したい。

◆ファンヒーターは空気の悪化や湿度に注意

 次に、灯油やガスを使ったファンヒーターだ。スイッチを入れるとすぐに勢いよく温風が出て、小さな部屋ならすぐに暖めることができる。また、エアコンほどではないが、省エネ性能もそれほど悪くはない。そのため、断熱性能の高くない日本の一般的な住宅では便利な存在だ。ただし排気口があるタイプを除けば、灯油やガスを燃焼させるファンヒーターは、原理的には家の中で焚き火をしているのと同じになるため、以下の2点を注意してほしい。

 ひとつは、室内の空気の悪化だ。燃焼により二酸化炭素など汚染部室が放出されるため、ファンヒーターには必ず1時間に1~2回、窓を開けて換気するようにという注意書きがされている。真冬にそのとおりにすると寒くてたまらないので、指示を守っている人は少ないはずだが、長時間換気せずに使用し続けることは健康リスクを高めることは知っておいたほうがいい。

 もうひとつは、燃焼により水分が発生して湿度を上げることだ。乾燥していた部屋が適切な湿度になるくらいまでは良いだろうが、窓などには結露が発生しやすくなり、カビやダニの増殖の原因にもなる可能性があるので注意したい。

 その性質を逆手に取った上級者向けの使い方として、エアコンとの併用も考えられる。エアコン暖房単体では乾燥しすぎてしまうという場合に、ファンヒーターとうまく併用して湿度をコントロールしながら部屋を温め、空気の悪化も最小限にするという方法だ。なお気密性能の高い住宅では、ファンヒーター使用時にある程度の換気をしたとしても、空気の汚染や結露の発生がひどくなる。絶対に使用しないでほしい。

住まいの性能によって効果がまったく異なるオイルヒーター

 オイルヒーターは、電気で内部の難燃性オイルを暖める機器だ。強い風も出ないし、空気を汚さない、そして熱くなりすぎないというさまざまなメリットがあり、小さな子どものいる家庭では重宝されている。

 ただ、部屋が暖まるまで時間がかかり、暖気を上に放出するため足元は暖められないという弱点もある。さらに暖房機器の中でトップクラスの光熱費がかかることや、そもそも広い空間を暖める仕様にはなっていないので、一般的な暖房機器としての用途にはお薦めしにくい。

 特に、気密断熱性能の低い一戸建てや木造の賃貸アパートなどでは、電気代ばかりがかかってまったく暖まらないので使用は避けた方が賢明だ。逆に、気密性と断熱性がある程度高い住宅では、上で挙げた欠点が目立たなくなる。いずれにしても、基本的には場所や時間を限定して効果的に使いたい所だ。

◆ヒーターやカーペットなどは、場所や時間を限定して使う

 部屋や体の一部だけを暖める機器も取り上げる。コタツ、ホットカーペット、電気ストーブ、電気ヒーターなど、主に電気を使用するさまざまなタイプの機器がある。これらは、小さなスペースで、短時間その場所だけを暖めたい場合は有効だ。しかし基本的に電気をそのまま熱として使用する暖房機器は、エネルギー効率が非常に悪い。仕方ない場合もあるが、基本的には長時間の使用は避けた方が賢明だろう。

 コタツは狭い空間を仕切って足だけを暖めるため、電気ヒーターなどに比べるとエネルギーロスが少ない。しかし、コタツに入りっぱなしになることで、体が乾燥したり、運動不足なるなど別の問題も起こりがちなので注意したい。

 なお、電気ヒーターなどは地震のときには火災の原因にもなる。阪神大震災では地震により機器が転倒し、その後電気が復旧することで燃えやすいものに引火、あちこちで「通電火災」が発生した。対策として、震度5以上の地震で自動的にブレーカーが落ちる「感震ブレーカー」を設置することが国などから推奨されている。

◆暖房器具の効率を高めるポイントは「空気の循環」と「断熱」

 最後に、すべての暖房機器の効率を高めるポイントを2つ紹介したい。1つは、空気を循環させることだ。暖かい空気は上に行く性質があるので、部屋の天井付近に暖気がたまりがちになる。そこで、サーキュレーターや扇風機などを積極的に活用して、部屋の温度ムラを少なくするよう心がけたい。これだけでも暖房の効率が大きく変わる。

 もう1つは、隙間をなくし断熱をすることだ。家の気密性能や断熱性能が極端に悪いと、どんなに機器を働かせて暖房をしても、せっかくつくった暖気が隙間から抜け、逆に足元から冷気が入り込んで不快な環境をつくってしまう。つまり、どんな暖房器具を選んだとしても、住まいの気密性能や断熱性能のレベルをアップさることで機器の性能を最大限発揮させることができるようになるわけだ。それぞれの暖房器具の特徴を把握しながら、適切に活用してこの冬を快適に乗り切ってほしい。

◆ガマンしない省エネ 第8回

<文/高橋真樹>
ノンフィクションライター、放送大学非常勤講師。環境・エネルギー問題など持続可能性をテーマに、国内外を精力的に取材。2017年より取材の過程で出会ったエコハウスに暮らし始める。自然エネルギーによるまちづくりを描いたドキュメンタリー映画『おだやかな革命』(渡辺智史監督・2018年公開)ではアドバイザーを務める。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)『ぼくの村は壁で囲まれた−パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)ほか多数。

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