統計の信頼性回復のためには、政府と与党はまず「不都合な事実」に向き合え

統計の信頼性回復のためには、政府と与党はまず「不都合な事実」に向き合え
2018年2月21日の衆院予算委員会中央公聴会時の筆者。衆議院インターネット審議中継より

 厚生労働省側から厚生労働省の検討会の阿部正浩座長に送られていたメールが公開され、統計手法の変更に官邸の関与があったことが強く疑われる状況となり、急展開を見せている毎月勤労統計をめぐる問題。
 筆者は、2月26日、衆議院予算委員会の中央公聴会において、公述人意見陳述を行うこととなった。
 13時現在、まさに意見陳述の最中になるが、その中において筆者が何を述べたか、公述原稿の内容をここに紹介したい。
******(以下、公述用の原稿)********

◆1.はじめに

 法政大学の上西充子です。本日はこのような機会をいただき、ありがとうございます。私は、統計不正の問題と、統計手法への政治介入の問題、そしてこれらの問題に率直に向き合おうとしない政府・与党の、国会に臨む姿勢の問題を取り上げます。
 昨年も私は、この場に立ちました。働き方改革関連法案に含まれていた裁量労働制の拡大をめぐって、安倍首相が比較できないデータをあたかも比較できるものであるかのように答弁した、そのことに端を発する問題を取り上げました。
 答弁撤回に至った安倍首相の昨年1月29日の答弁は、厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、一般労働者よりも短いというものでした。政府に都合のよい方向に、データがねじまげられていました。この問題の出発点は、2015年の3月でした。
 さて、毎月勤労統計の不正が昨年12月に発覚して以降、問題は広がりを見せています。不正な統計操作があったことは、2018年1月分から賃金水準が上振れし、その要因が探られる中で発覚したものでしたが、2018年1月分から実施された毎月勤労統計の手法の変更についても、適切な意思決定プロセスを経ておらず、官邸の不当な介入があった疑いが濃くなっています。
2月4日の衆議院予算委員会で、安倍首相は小川淳也議員の質疑に対して、こう答弁しました(国会PV 14:52~)。


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