乾式貯蔵技術を米国とはまったくの別物に変えたヒノマル原発産業の宿痾

乾式貯蔵技術を米国とはまったくの別物に変えたヒノマル原発産業の宿痾
写真はイメージです。 photo by Nuclear Regulatory Commission via flickr (CC BY 2.0)
◆日本の「乾式貯蔵」の現実を知るために

 本連載原子力PA編では、前回一度だけNUMOの高レベル放射性廃棄物最終処分場選定に関する説明会への参加レポートを挟みましたが、基本的には愛媛県八幡浜市で行われた「使用済燃料乾式貯蔵施設に関わる講演会」で目にした長沢博士、奈良林博士の講演についてその概要をお伝えしてきました。(参照:本連載原子力PAシリーズ1、2、3)

 この核燃料乾式貯蔵(乾式貯蔵)は、合衆国の商用原子力発電所としては1986年にサリー原子力発電所(Surry N.P.P. Virginia, USA)で初運用されており、十分に成熟した技術といえます。

 乾式貯蔵は、ドライキャスクと管理施設への投資が大きく、一方で維持・運用費は小さいという費用構造上の特徴があります。初期投資が大きく、維持費が小さいと言うことは長期間の運用に向きます。

 一方で、SFPによる貯蔵は、初期投資が小さく、一方で維持・運用費が大きくなりますので、短期間の運用に向きます。

 従って、使用済み核燃料の処分が円滑に出来る(再処理する、最終処分場への搬出の当てがある)のであるのならば、SFPでの十年ないし十数年程度の仮保管で済むため、SFPでの管理が最適であるとして前世紀では乾式貯蔵はそれほど大規模には使われていませんでした。

 例えば日本では、核燃料サイクルによってSFは冷却期間の10年間の後に再処理施設へと持ち去られるので、SFが発電所内で増え続けることはなく、長期滞留もないために、わざわざ高額の設備投資をして乾式キャスク貯蔵をする必要は無いと考えられてきたのです。

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2019年3月31日の経済記事

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