都営住宅で進む高齢化、孤独死や買い物難民に陥る危険も

都営住宅で進む高齢化、孤独死や買い物難民に陥る危険も
小山謙一さん
 低所得者が入居する公営住宅。東京都には都営住宅が25万1693戸(2018年)あり、各区に区営住宅がある。現在、都営住宅は、名義人が亡くなると同居の家族が退去せざるをえない制度になっており、居住者からは制度の改善を求める声が上がっている。

◆名義人である父親が死亡すると妻しか住まいに残れないことに

 都営住宅では、名義人が死亡した場合、名義人の配偶者しか継続して住むことができず、子どもは退去しなければならないことになっている。そのため、例えば、名義人である父親が亡くなった場合、妻一人が残され、子どもは引っ越しを強いられることになる。

 こうしたルールが様々な問題を引き起こしていると指摘するのは、東京都公営住宅協議会の小山謙一会長(77)。つい最近も、次のようなケースが起きたという。

「80代の母親と50代の娘が2人で暮らしている世帯がありました。娘は、肺がんを患った母親を介護するため、わざわざ引っ越してきたんです。それなのに母親が亡くなったため、娘さんは都営住宅を退去せざるをえなくなってしまいました」

 以前は、名義人と同居していた親族は、継続して住むことができた。しかし国土交通省は2005年に承継の条件を厳格化。それ以降は、名義人の配偶者と高齢者、障害者しか継続して住めないこととなった。

 ただし、実際に条件を厳格化するかどうかは、自治体に一任された。多くの自治体とは異なり、東京都は都営住宅条例を改定し、承継の条件を厳格化した。

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