選挙協力、ヤジの排除……政治との結びつきを強める、公安と内閣情報調査室<日本の情報機関の政治化1>

 現代ビジネスに掲載された時任兼作氏の記事も、同じ論調である。(時任兼作、戦前か? 一般人を強制排除した、北海道警「政権への異常な忖度」、現代ビジネス2019年8月19日、2019年10月26日アクセス確認)

◆3.前川喜平氏の「出会い系バー」通いの読売新聞へのリーク

「公安警察と警備警察の劣化」に加えて、警察官僚が中心の情報組織である「内閣情報調査室」の動きも極めて怪しい。安倍政権を揺るがせた「加計学園」問題に関連して、政権を告発した元文部科学省事務次官の前川喜平氏は、その告発直後、読売新聞社会面で、「出会い系」バーという風俗店に出入りしていたことを報じられた。「なぜ、誰がそんな情報を持っていたのか? そんなタイミングで報道することを決定したのは誰なのか?」当然ながら、こうした疑問が投げかけられた。

 この事件について、確実なことは分からない。その後、伝えられるところによれば、全官僚の最高位に位置する内閣官房副長官にして元警察官僚の杉田和博氏が、官邸直属の情報収集機関である内閣情報調査室のトップ、内閣情報官の北村滋氏(当時)に指示を出し、前川氏の身辺情報を調査させたという。そして、「出会い系バー」通いの情報がなんらかの形で読売新聞社会部に流れ、報道されたとされる(今井前掲書57頁、時任前掲書79頁)。なお、北村氏が務めていた内閣情報官のポストは、警察官僚の指定席である。

 さて、情報機関がセックス絡みのスキャンダル情報も収集して、それを武器に対象を攻撃するというやり方は、政治の世界ではしばしば見られるものなのかもしれない。少なくとも、アメリカ合衆国大統領トルーマンは、そのように考えていた。トルーマンは、FBIは、ゲシュタポや秘密警察に傾いており、「かれらはセックススキャンダルやあからさまなゆすりに手を染めている」と日記に記している(ワイナー、ティム『FBI秘録―その誕生から今日まで・上』山田侑平訳、文藝春秋、2014年)。

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2019年10月29日の経済記事

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