抗議活動をしているのは「未来のための金曜日」(グレタさんが毎週金曜日に学校を休んで環境問題を訴えてきたことから始まった、政治家へ環境問題に対する積極的なアクションを求めた抗議行動)だけではありません。ロンドンを中心とする「絶滅への反逆」(「Extinction Rebellion」、略称「XR」として知られる温暖化に対する政治的な決断を促すために非暴力の直接行動を用いる社会・政治的な市民運動)やアメリカの「サンライズ・ムーブメント」(若者主導の気候変動に関する政治運動)のように、世界各地で直接行動を重視する環境運動が盛り上がっており、そうした下からの運動が、政治にも影響を与えています。アメリカのバーニー・サンダースらが提唱しているグリーン・ニューディールなどは、そうした下からの運動の力によるものです。
トランプを次の大統領選で当選させてはならないのです。彼は気候変動が起きているのを知っていながら、「否定」しています。気候変動を認めると、さまざまな規制を市場にしかねばならず、自分たちのような資本家が不利になるからです。
グレタさんがスピーチで「システムを変えなくてはいけない」と強調していたのは、そのためです。
◆気候変動で金儲けするビル・ゲイツ
―― 2019年に日本は台風15号・19号によって大きな被害を受けましたが、被害が集中したのは都心ではなく地方でした。日本では都心と地方の経済格差が深刻な問題になっていますが、気候変動がもたらす被害にも格差が生じています。