迫害から逃げて日本に来たクルド人家族がビザを求めて提訴。子供たちの権利と未来を賭けた戦い

 いざ日本に行くと決まった時、トルコを離れることがさみしいとか、日本で暮らしていくことへの不安は考えたことがなかった。ただひとつ「お父さんと暮らせる」という嬉しい気持ちだけだった。

 日本へ来たムスタファさんは、小学校4年に編入した。言葉を覚える能力はとても高く、あっという間に綺麗な日本語を習得した。勉強熱心な優等生で、宿題も毎日頑張っていた。マラソン大会が事前にあれば、学校から帰ってきては近所を走って本番に備えるなど、何につけても一生懸命で、まわりからみれば将来有望な男の子だった。

 しかし中学に入ってしばらくしてから、急に彼は学校に行かなくなってしまった。親のメメットさんにもその理由を告げることはなかった。裁判が始まるようになったあたりから、やっと彼は不登校の事情を話すようになった。生活が厳しい中で、小学校のころから集金を支払うのが精いっぱいだったというのだ。

 中学に入れば、制服、柔道着などの教材費、修学旅行の積立金など、家計がますます厳しい状態になっていった。入学当初は学校に事情を話し「お古の制服はないか」と相談したが、校長先生に「ないものはない!」と冷たく突き放されることがあったという。

 ムスタファさんは「お父さんのために」と考え、自ら中学校に行かなくなってしまったのだった。ムスタファさんにとっては、トルコにいたころの学校に比べたら、よっぽど日本の学校のほうが居心地の良い場所だったという。本当に残念な話である。

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2020年1月30日の経済記事

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