しかし、福岡県で感染者が爆発的に増加したことにより状況は一変した。7日に福岡県で緊急事態宣言が発令されたことを受け、多くの市町村で公立小・中学校の休校期間を5月6日まで延長する決定がなされた。
これに伴い『「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関する ガイドライン」の改訂について』という通知が文部科学省から届いた。通知の中で、緊急事態宣言の対象地域における臨時休業中の学習指導について、「臨時休業期間中に児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって、学習に著しい遅れが生じることのないよう、学校や児童生徒の実態等に応じ、可能な限り、紙の教材やテレビ放送等を活用した学習、オンライン教材等を活用した学習、同時双方向型のオンライン指導を通じた学習などの適切な家庭学習を課す等、必要な措置を講じること」と言及されていた。
この通知に対し山田さんは「文科省の通知は机上の空論です。オンライン授業を推奨されてもそれができるのは、研究校に指定され先進的な取り組みをしている学校や、一部の財政的に余裕のある自治体、インターネットと受信機器の普及率が高い都心部だけです。私の働く自治体をはじめとした地方では、金銭的な理由で子どもにスマホを持たせられない家庭や、スマホを買うのは高校生からという家庭が多く、オンライン授業を実施できないのが現実です。さらに、配信する学校側のインターネット環境も整っていません。文科省の調査によると、福岡県の普通教室の無線LAN整備率は14%(全国平均は41%)で全国ワースト第2位*です。これまで教育に投資してこなかったツケが、この緊急事態に一度に押し寄せてきています。そしてそのツケが、持つ者と持たざる者との教育格差を生み出しています」と怒りを露わにした。