ムヒカのこの陰口は、彼女に伝わっていたようで、チャベスが南米諸国連合の会議をチリの首都リマで急遽することになった時に、ムヒカにはリマまで行ける便がないということを知っていたフェルナンデスは彼女の専用機タンゴ01を手配してムヒカをリマに送った。その時、彼女が言ったのは「その通り、私はひどい奴でしかも婆だ。それでも爺を(リマまで)連れて行けるというのは幸運だ」とリマを訪問した後に語ったそうだ。(参照:「El Pais」)
当時の南米は反米左派政権の国が多くあった。ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビア、エクアドルといった国々だ。
◆大統領専用機を買ったムヒカの次のバスケス前大統領
本題のウルグアイの大統領専用機の話に戻ろう。
この専用機の購入には会計監査院も反対していたが、最終的にそれをウルグアイのメルセデスベンツのディーラカルロス・ブスティンから101万ドルで購入された。購入したのはムヒカの次に大統領に就任したタバレ・バスケス前大統領だった。ムヒカとバスケスはウルグアイにとっては新しい政党拡大戦線に属している議員で、ムヒカの前の2005年から2010年にも大統領を務めたバスケスは、その当時から専用機の購入を望んでいた。ところが、倹約を信条とするウルグアイでは議員の間でもそれに反対する声が多かったのだ。