
戦後の野球マンガの代表作として『ドカベン』(秋田書店)を挙げる人は多いに違いありません。水島新司が描いたこの作品は、1972年から1981年まで『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)に連載されました。
単行本の累計発行部数は4800万部を記録しています。またその後『大甲子園』『ドカベンプロ野球編』『ドカベンスーパースターズ編』『ドカベンドリームトーナメント編』と続き、2018年6月をもってシリーズは完結。延べ46年に及ぶ連載が終了しました。
『ドカベン』は神奈川県の明訓高校野球部に所属する主人公の「ドカベン」山田太郎と、同級生でチームメイトの里中智、岩鬼正美、殿間一人、微笑三太郎など、そしてライバル校の選手たちの高校野球での活躍を描いています。
山田のいた時代の明訓高校は5季連続で甲子園出場。うち4度の全国制覇を成し遂げます。ただ連載初期は、中学時代の山田、岩鬼、そして山田の妹のサチ子が軸になった柔道マンガでした。途中で山田は柔道部から野球部に移籍しています。
◆『ドカベン』神奈川県大会での聖地「ドカベンスタジアム」
明訓高校の校名の由来は、水島新司の故郷・新潟にある新潟明訓高校であることはよく知られています。作中では、新潟明訓とは姉妹校という設定がなされています。しかし作中の明訓高校は神奈川にある架空の私立高校です。
神奈川県では、現在は県大会の主会場は通称「ハマスタ」と呼ばれる横浜スタジアムですが、それができるまでは保土ヶ谷球場が主会場でした。『ドカベン』では明訓高校はライバルたち、不知火や雲竜、土門らとこの保土ヶ谷球場を舞台に競い合います。明訓高校は1、2年時、3年春の決勝を保土ヶ谷球場で、3年最後の夏の決勝は「ハマスタ」で行いました。