
22日午前に北朝鮮が相次いで発射したムスダンとみられる中距離弾道ミサイルについて、防衛省が「2発目は高度1000キロに達した」と分析結果を公表した。中谷巌防衛相はこれを受けて、「中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が示されたことは、安全保障に対する深刻な懸念だ」と述べ、引き続き情報収集と警戒監視に努めるよう指示した。
北朝鮮は22日午前、弾道ミサイルを2発を相次いで発射した。防衛省がレーダー画像などを解析した結果、ミサイルは中距離弾道ミサイルのムスダンである可能性が高いという。
午前5時57分頃に北朝鮮東岸の元山(ウォンサン)付近から東方向に発射された1発目は、空中でバラバラに破裂して、同国東岸沿岸に落下したとみられている。
続いて8時3分ごろに北東に向けて発射された2発目は400キロほど飛翔し、日本海上に落下。防衛省は2発目のミサイルは高度が1000キロを超えたと分析している。
中谷巌防衛相は、「中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が確認されたことは、日本周辺の安全保障に対して深刻な懸念を及ぼす」との考えを示した。
政府は午前中、首相官邸の危機管理センターで2度にわたる緊急会合を開催。安倍晋三首相は「明確な安保理決議違反であり、国連の場で対応する」と考えを示し、北京にある大使館ルートを通じて北朝鮮に対する厳重な抗議を行ったことを明らかにした。
北京では現在、北朝鮮の核開発問題について、北朝鮮、韓国、米国、ロシア、日本、中国が話し合う六者会合が開催されている最中で、この時期を狙った弾道ミサイルの発射についてはさまざまな憶測が飛んでいる。