上空に向かって落ちる?謎の雷を探査 NASA

上空に向かって落ちる?謎の雷を探査 NASA

 雷は空から地面に落ちるもの。


 しかしこの数十年の研究により、雷が発生すると同時、もしくはその直後に、カミナリ雲の上部から上空に向かっても雷が落ちている?ことが分かってきた。


 かつては飛行機のパイロットが上空から偶然見かけたりしたその「謎の雷」は、スプライト(妖精)と呼ばれる赤やピンクの球状のものや、エルブスと呼ばれる青い皿状のもの、ジェットと呼ばれる巨大な放射などの種類がある。


 そしてこの「謎の雷」は時折、超新星爆発の時などに発生する「ガンマ線バースト」に似た現象をともなう。


 ガンマ線バーストの仕組みは現在も解明されていないが、地球からそう遠くない恒星で起きれば、地球上のほとんどの生物が一瞬にして絶滅するほどの破壊力を持っており、過去の生物大量絶滅の「原因」と見ている研究者もいる。


 そんな破壊的現象の「ミニ版」が地球の大気圏でも起きており、TGF(地球ガンマ線放電現象)と呼ばれている。

 このTGFの謎に迫るべく、米航空宇宙局(NASA)は8月3日から国際宇宙ステーション(ISS)に、「ファイヤーステーション」と呼ばれる新しい観測機器を配備して調査に乗り出している。


 「ファイヤーステーション」は赤や青の光の波長別に同時にガンマ線などの状態を測定できる機器で、先月打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の補給機「こうのとり」4号機によりISSに運び込まれた。


 この「ファイヤーステーション」による調査の結果、TGFは地球上で、少なくとも数時間に1回は起きており、2日に1回は巨大なTGFが発生していることが分かってきた。


 NASAのローランド調査主任は、「恒星や星雲の爆発や衝突によって引き起こされる宇宙で最も破壊的な現象が、この地球上でも起きていることは驚嘆に値する」と語っている。


 TGFが発生するためには、大気中の低エネルギーな素粒子を光速に近い速度まで加速する『何物か』が必要で、研究チームは今後、この未知の『何物か』を探ることになる。

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