第13回 プロメテウスの希望 ゼウスの怒り(8)

第13回 プロメテウスの希望 ゼウスの怒り(8)

 「おっしゃる事は分かりました。至急、検討します。


われわれとしては、ヘリを使って上空から投下する方法が、最も現実的だと考えていますが、原子炉上空の状況が全く分からない。


こうした事故の場合、原子炉上空の放射線の状況はどうなっているものなんでしょうか?」


 放水するにせよ、ホウ酸を投下するにせよ、原子炉上空の被曝線量が作戦の可否を、そして実行する隊員の生死を分ける。


火箱陸幕長の最も知りたいポイントだった。


「放射性物質というのは、割り箸を立てたように、ある一定の高さまでは、まっすぐ立ちのぼります。


そして、ある一定の高さに達すると、線香が風で流れるように水平に漂って行きます。」

「それじゃ、風下から進入しちゃ危険だな…」


「そりゃ、そうです。」


 そもそも、飛行機にしてもヘリにしても、およそ航空機と言うものは、『風見鶏』と同じように、自然と風上に機首を向けるように設計されている。


 小さな標的に水やホウ酸を落とすとすれば、『ホバリング』して狙いを定めるしかないが、最も安定してホバリングできる姿勢は、風下から進入して、機首を風上に向けている状態だ。


風上から進入して、追い風を受けるとホバリング状態で機体が安定しない。


「難しいな…」

『八方ふさがり』の状況

「それじゃ、放射性物質が水平に漂い始める高度はどれくらいなんですか?」


「それは、……分かりません。」


「……」


 当然ながら、『割り箸』の高度が低ければ低いほど、原子炉建屋にヘリが近づきやすく、目標に命中させる確率は高くなるわけだが、その接近可能高度すらも分からない。


あわせて読みたい

ハザードラボの記事をもっと見る 2013年5月27日の社会記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

社会ニュースアクセスランキング

社会ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

国内の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

国内に起きた最新事件、社会問題などのニュースをお届け中。

通知(Web Push)について

Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら