オス同士の同性愛 生まれと育ちに起因 ショウジョウバエ研究

オス同士の同性愛 生まれと育ちに起因 ショウジョウバエ研究
ショウジョウバエの脳の神経細胞を刺激し、ディスプレー上の動く光点を見せて求愛行動を開始させる実験(提供:山元大輔・東北大学教授)

 ショウジョウバエのオスでは1つの遺伝子が働かなくなるだけで、メスには見向きせず、オスに求愛するようになる。同性愛が遺伝的に決まる証拠として、20年以上前に発表された説だが、東北大学の研究グループは11日までに、このオスを孤独な環境で育てると、同性愛行動が起こらなくなると発表した。恋愛志向は「生まれと育ち」の両方が関係するというユニークな実験結果だ。



 東北大学の山元大輔教授は1991年、オスにのみ求愛するショウジョウバエの突然変異体を見つけたと発表した。山元教授が「サトリ」と名付けたこの突然変異体は、性の指向性を決める「フルートレス」という遺伝子の機能が機能しないと同性愛行動を起こすことで知られている。



 野生のショウジョウバエのオスは、メスに触れてフェロモンを感知することで求愛スイッチが入るという。そこで今回、山元教授ラの研究グループは、突然変異体である「サトリ」を、孵化直後に隔離して、数日間単独で育てたグループと、集団生活で育てたグループを観察し、同性に対する求愛行動がどう変わるかを比較した。



 実験の結果、集団生活をしたサトリのオスは、ディスプレー上にハエのように動く光を見ただけで神経細胞が興奮し、求愛行動を見せた。一方で、孤独な環境で生活したオスは動く光に反応することなく、求愛行動が抑制されることがわかった。


 山本教授は「同性愛突然変異体であるサトリのオスでは、集団生活の経験によって神経細胞が過剰に反応するようになり、視覚的な刺激だけでオス相手に求愛するようになる。ハエの同性愛行動は、遺伝的要因と社会経験の環境要因が作用し合うことがわかった」と結論づけ、実験の成果をヒトを含めた動物の社会性発達の研究に役立てていきたいとしている。



 なおこの論文は、英科学誌「Nature Communications」電子版に掲載された。

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